- スポーツを通じた国際協力のトレンドとは?
- 国連と政府のスポーツ×国際協力への方針は?
の疑問にこたえます。
この記事では、スポーツ×国際協力のトレンドとして、開発と平和のためのスポーツ (SDP)、スポーツSDGs、スポーツフォートゥモローを解説します。
開発と平和のためのスポーツ (SDP)
2000年代から、開発と平和のためのスポーツ (Sport for Development and Peace, 通称SDP)という考え方が広まりました。
国連総会においても、教育、健康、開発、平和におけるスポーツの重要性が認識され、スポーツは持続的発展を可能にする要素であることが決議されました。(注1)
スポーツの可能性についてより広めるために、国連は4月6日を“開発と平和のための国際スポーツの日 International Day of Sport for Development and Peace (IDSDP)”に定めました。
また、2018年には、スポーツに関する国連アクションプランを打ち出しました。(注2)
- 開発と平和のためのスポーツにおける国際的枠組みの強化
- 開発プログラムとポリシーにおいて、開発と平和のためのスポーツを主流化・統合するための方針づくり
- 資源配分、プログラム立案と実施
- 調査、モニタリングと評価
これらの取り組みを受けて、各国でもスポーツと健康の取り組みが急速に広まっていきました。
スポーツSDGs
SDGs (持続的な開発目標)とは、2015年に国連サミットで採択された、2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
SDGsは17のゴール・169のターゲットから構成され、「世代を超えて、すべての人が、自分らしく、よく生きられる」世界を目指しています。
国連は「スポーツは持続的な開発における重要なカギとなるものである」とし、SDGs達成に不可欠なツールとしています。
例えば、SDGsゴール3の「すべての人に健康と福祉を」では、スポーツはアクティブなライフスタイルと精神的な安定をもたらし、人々の健康につながります。
「スポーツSDGs」とは、スポーツの持つ、人々を集める力や人々を巻き込む力を使って、SDGsの認知度向上、ひいては、SDGsを達成しようとする試みです。
スポーツ庁では、スポーツ基本法の理念である「スポーツを通じて『国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む』ことができる社会の実現」を目指し、スポーツSDGsへの貢献を宣言しています。
スポーツ庁では、スポーツSDGsに共感する企業やスポーツ団体などとの連携を進めています。
個人として協力できる方法もあります。
SNSでハッシュタグ「#SportsSDGs」をつけて発信することで、「スポーツSDGs宣言」として発信することです。(注4)
スポーツフォートゥモロー(SFT)
概要
SPORTS FOR TOMORROW (SFT)とは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催国として、官民連携で、開発途上国を中心とした100カ国・1000万人以上を対象にスポーツを通じた国際貢献・交流事業です。
東京オリンピックの招致にあたり安倍首相が約束したもので、実施期間は2014年~2020年の7年間です。
活動領域
- スポーツを通じた国際協力及び交流
- 国際スポーツ人材育成拠点の構築
- 国際的なアンチドーピング推進体制の強化支援
運営主体
SPORT FOR TOMORROWは、「スポーツ・フォー・トゥモロー・コンソーシアム」により運営されています。
外務省やスポーツ庁を中心とした「運営委員会」と、SFTの趣旨に賛同し、スポーツを通じた国際貢献に携わる団体から成る「コンソーシアム会員」にて構成されたネットワークです。(注3)
運営委員会
外務省、スポーツ庁、JICA、国際交流基金、JETRO、日本スポーツ振興センター(JSC)、日本スポーツ協会、日本オリンピック委員会、日本障がい者スポーツ協会、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)、ラグビーワールドカップ2019組織委員会、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、ワールドマスターズ2021関西組織委員会、筑波大学、(日本体育大学)、(鹿屋体育大学)
活動レポート
2020年11月15日時点で、604件のレポートがあげられています。
それぞれの活動に、SDGsの17へのゴールへの関わりがあり、例えば次のような活動があります。
- オンライン柔道イベント (SDGsゴール3,4,5,10に関連)
- ウルグアイ卓球バレー (SDGsゴール3,4,17に関連)
- 南スーダン難民居住地における教育支援 (SDGsゴール4,16に関連)
Take Action!
スポーツの人を感動させる力、人を巻き込む力を使って、世界をより良くすることができます。
今回の記事では、その3つのトレンドとして、「開発と平和のためのスポーツ (SDP)」、「スポーツSDGs」、「スポーツフォートゥモロー」を紹介しました。
2020年東京オリンピック・パラリンピック大会は延期となっていますが、もし2021年に開催されたらきっとスポーツを通じた国際協力の機運がさらに高まることと思います。(2020年11月時点)
次の記事では、各アクターでのスポーツ×国際協力の取り組みを紹介します。
頑張るあなたを応援しています!次の記事で会いましょう!
出典
(注1) United Nation : Sport for Development and Peace
(注2) United Nation Action Plan on Sport 2018
(注4) スポーツ庁 スポーツSDGs
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