- ファンドレイザーとはどのような役割？
- ファンドレイザーの仕事内容は？
- 仕事での難しさは？
- ファンドレイザーになるには？
の疑問に、NGOのファンドレイザーとして仕事をしている筆者がこたえます。
ファンドレイザーとは
役割
社会課題を解決するために、(政府でなく)民間の立場で、(企業でなく)非営利の団体で資金調達をプロフェッショナルとして行う仕事です。
「なにか社会貢献をしたい人」から想いのバトンを受け取り、「社会の問題解決のために活動している人」に渡す仕事です。
そのため、寄付者さんの善意に応えるかたちで寄付がきちんと使われるようにするのも、大切な役目です。
また、日本での寄付文化は発展途上ですが、その文化をより浸透させるのも大切な役割です。
一つ一つのご縁を大切にし、寄付者さんから「寄付してよかった」と思ってもらえれば、「また寄付しよう」につながります。
仕事のやりがい
ファンドレイザーの仕事で、何よりも素晴らしいのは、仕事のやりがいです。
自分の想い、努力や工夫が、社会問題の解決の解決に直結することです。
団体が解決に取り組む社会問題への関心が高いほど、その活動を支えるためにお金を集めることが、あなた自身のやりがいにつながります。
仕事内容
ファンドレイジングの方法はさまざまです。
- ニュースレター …①会員さんや支援者さんとの接点を保つため、②緊急事態などの際に寄付を募るため、③活動を知ってもらうためなどの目的のために行います。
- DM …主に新規支援者さんを獲得するために行います。
- WEBマーケティング …Google Adsense、SNS、メルマガ、リスティング広告、YouTube広告などの施策を行います。最近とても伸びている分野です。
- フェイス・トゥ・フェイスマーケティング …駅前やショッピングモールなどで寄付を呼び掛けている人を見ることもあるのではないでしょうか。新規支援者さんを獲得するために大切な仕事です。
- 個人支援者対応 …主にコールセンターやWEBからの問い合わせへの対応を行います。時にはクレームが寄せられることもあり、誠実さが求められます。
- 法人支援者対応 …寄付付き商品、ポイントからの寄付などの企業との協業の窓口となります。企業支援者さん、そしてその先のお客さんへの配慮が求められます
求められる資質
ファンドレイザーは、人として信頼され、支援者さんから「安心して寄付を預けられる人」と思ってもらえるような存在であることが大切です。
そのために、求められる人の要件はこのように考えています。
- 誠実さ …嘘をつかず、正直に人と向き合うこと
- 専門性 …営業、マーケティングなどの知識と経験
- 傾聴力 …支援者さんの要望を質問などで積極的に聴き、理解に努めること。
- 営業力 …支援者さんの求めるものを理解し、提供すること。
- 想像力 …社会課題が解決された先のビジョンを描き、支援者さんと共有すること。
- 冒険 …社会の変化に合わせて、営業戦略やマーケティング戦略を柔軟に変え、時には挑戦すること。
仕事で難しいと感じること
組織としての「費用対効果」、対外的には「支援者様の平等」のジレンマ
組織として活動する以上、できる限り少ない資源で、最大限の成果を得る必要があります。パレートの法則(80:20の法則)といわれるように、トップの20%が寄付額全体の80%を占めていることはどのNGO/NPOでも往々にして起こります。
組織の戦略として、限られた資源で最大限の効果を狙うためにトップ20％を重点に置いた戦略をとることは自然なことです。
一方で、金額により支援者に優劣をつけているような印象を抱かせることは、団体としてイメージダウンにつながるリスクがあります。
NGO/NPOは団体への信頼性で寄付を集めてますので、活動を継続し続けるためにブランドイメージは非常に大切です。
なので、支援者さんへの対応は基本的には平等で誠実に対応しつつも、戦略的にセグメント分けして取り組むこと、支援者さんの目線に立って団体の印象に配慮することが大切です。
やりがい搾取
NGO/NPOでの有給職員全体の平均年収は、341万円です。
この数字は、一般的な平均年収に比べる低く、組織にもよりますがインセンティブという考え方を取り入れている団体は少ないように思います。
労働条件は団体や部署により異なりますが、私の経験・印象では、一般的な会社で働くこととNPOで働くことは大差ありません。
組織としては、職員の待遇を高めるよりは、より多くの寄付金を社会課題解決の取り組みのために使いたいという思考になるのは自然なことです。
設立したばかりの団体であったり、年間収入額が5000万円以下の団体では、なおさら待遇を良くする余裕はありません。
やりがいをもって仕事をできるのは素晴らしいですが、活動を持続的に行うため。優秀な人財を確保するためには、ある程度の待遇も必要になってきます。
ファンドレイザーになるには
ファンドレイザーになるには、特に資格や免許は必要ありません。
即戦力となれるような知識と経験があり、NGO/NPOでの応募条件に適えば、誰でもなることができます。
NGO/NPOの求人サイトについては、こちらの記事にまとめていますので、参考にしていただければと思います。
Take Action！
いかがでしたか？
この記事では、ファンドレイザーについて役割、仕事内容、難しさ、そしてファンドレイザーになるための方法を解説しました。
ファンドレイザーは、「社会貢献をしたい人」と「社会課題を解決するために活動している人」をつなぐ大切な仕事です。
「あなたの仕事は何ですか？」
と訊ねられた時に、誇りをもって「社会課題の解決が仕事です」「社会貢献が仕事です」などと答えられる仕事だと思います。
1人でも多くの方がファンドレイザーに関心をもっていただければ、私は嬉しいです。
そのような方が1人でも増えれば、より多くの社会課題は解決され、より良い世界を私たちの子どもたちの世代に残してあげることができるでしょう。
読者の皆さんのお役に立てればうれしいです。
頑張るあなたを応援しています！次の記事で会いましょう！
コメント
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