将来は国際協力の仕事をしたい!大学や学部をどう選ぶと、その後のキャリアにつながるの?
の疑問にこたえます。
この記事では、開発コンサル企業とNGOで働いた経験のある筆者が、学部別のキャリア例をご紹介します。
この記事の信頼性
まず前提として、国際協力の王道であるJICAなどの政府系機関、開発コンサル企業やNGOでのサラリーマン的な働き方をしたい方に向けてのキャリア紹介です。自営業、起業家や投資家を目指す方はとは異なります。
個人としての1つの意見ですので、いくつも情報を比べてキャリア選択をしていきましょう。
大学の選択は?
JICAが公募する案件では、大学ではなく学部での専門性、そして類似経験が問われます。
開発コンサル業界そしてNGOで働く方は、有名国公立/私立の大学・大学院を卒業した人が多い傾向にありますが、
大学より「どの学部で専門性をつけるか?」の方が大切です。
次の章では、理系学部での国際協力キャリアの事例を見ていきましょう。
理系の学部別キャリア事例
看護学部
次のような選択肢があり、国際協力での挑戦できる分野も多いと言えます。
- 医療機関への勤務
- 保健医療分野の開発コンサル企業
- 医療系NGOでの勤務
- JICA協力隊
- JICA健康管理員(業務経験7年以上の看護師)
保健医療分野の開発コンサル企業やJICA協力隊では、大学の卒業後すぐにでも応募できるようなポジションがあります。
開発コンサル企業では、企業にもよりますが新卒社員の育成制度のある企業も多く、仕事を通じてOJTで業務経験と専門性を高めることにもつながります。
医療系NGOでは、数年の業務経験を積んだうえで、専門性と経験をもって即戦力としての貢献が求められます。
NGOにより活動地や求められる専門性・経験が異なりますので、応募したい団体へ確認するのが良いでしょう。
手術室看護師の白川優子さんの「紛争地の看護師」では、NGOで活躍するまでの努力や、仕事内容がわかるのでおススメです。
薬学部
看護学と同様に、次のような選択肢があり、国際協力で貢献する方法は多いです。
- 医療機関への勤務
- 保健医療分野の開発コンサル企業
- 医療系NGOでの勤務
- JICA協力隊
保健医療分野の開発コンサル企業やJICA協力隊では、大学の卒業後すぐにでも応募できるようなポジションがあります。
薬学部の大学院を卒業後、開発コンサル企業に就職し、専門性をもってJICA案件のコンサルとして活躍し、医療機器計画やIT計画での専門性と実績を重ねている方もいました。
医療系NGOでは、数年の業務経験を積んだうえで、専門性と経験をもって即戦力としての貢献が求められます。NGOにより活動地や求められる専門性・経験が異なりますので、応募したい団体へ確認するのがおススメです。
医学部
次のような選択肢があり、専門性・経験・体力があれば何歳でも挑戦できます。
- 医療機関への勤務
- JICA案件への参加
- 医療系NGOでの勤務
医療の専門性を高めるため、卒業後はまず医療機関での勤務経験を積む方が多いです。
国際感染症センターなど、医療での国際協力に力を入れている医療機関に勤める方もいます。
JICA案件でも保健医療分野のニーズは高いため、公募案件でのコンサルタントとして、またJICA協力隊として参加する方法もあります。
高校生の時に、NGOで働く医師の話を聞き、「こういう仕事をしたい!」と医学部進学を決め。外科と産婦人科で医師としての経験を積み、海外留学で英語を磨き、NGOの活動地で働く医師として活動しています。NGOでの募集があればいつでも行けるように、日本ではアルバイトの柔軟な勤務形態で働いています。
土木・建築学部
ハード系の開発コンサル企業では、学部卒・院卒問わず、土木系や建築系の学部を卒業した学生の採用を行っています。
日本の開発コンサル業界では、建物や機器といったハコモノのハード面だけでなく、人材育成・技術協力といったソフト面での協力にシフトする傾向にありますが、ハード系の案件も依然として多く、開発コンサルの大手は建築や都市計画といったハード系の企業です。
そのような企業では、新卒採用そして中途採用を行っており、採用枠は多いので、新卒であっても希望の企業で働ける可能性は、他の学部よりも高いと言えます。
設計学部
開発コンサル企業や設計事務所では、設計学部の学生や、1級建築士や2級建築士の資格を持つ学生の採用を行っています。
土木・建築学部と同じく、施設整備や都市計画といった案件では、設計の専門性が求められますのでニーズの高い分野です。
筆者の友人では、院卒で2級建築士を持ち、新卒で設計事務所に就職し、在職中に1級建築士の資格をとって、仕事を通じて職務経験を積み、転職でさらにキャリアップした人もいます。
情報工学(IT)学部
どの組織や施設でもITは導入されているため、IT関係では様々な関わり方ができます。
- 開発コンサル企業でのIT計画の専門家
- 開発コンサル企業やNGO等の組織での社内SEやシステム担当
- IT企業に勤務し、国際協力の案件に従事 など
もし「途上国支援」といった枠組みにとらわれず、「海外企業との協力」や「中小企業支援」といった枠組みであれば、更に可能性(=選択肢)が広まります。
選択肢が多いからこそ、「本当はどう生きたいのか?」という軸を強く持たなければ、多忙な日々に流され、本来の働く目的を見失ってしまうリスクもあります。
途上国においてもIT化のニーズは高いので、身に着けておいて損のない専門性だと思います。
理学部
開発コンサルで多い募集条件は「理系」であることです。
理学部では化学、数学、物理などの基礎研究を行うことが多いため、直接的に専門性を開発コンサル企業やNGOで活用できるわけではありませんが、研究を通じて培われる計画力、分析力、英語論文を読む力などは国際協力においても生かせるものと思います。
Take Action!
いかがでしたか?
この記事では、理系学部を選んだ場合の国際協力(開発コンサル企業とNGO)でのキャリア事例を紹介しました。
もし読者の皆さんが高校生であれば、これから進学する学部の選択
大学生/院生や社会人であれば、今後のキャリアの選択
の参考になれば嬉しいです。
頑張るあなたを応援しています!次の記事で会いましょう!
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