【早わかり】JICA草の根技術協力事業とは:概要、要件、応募方法

JICA

JICAの草の根技術協力事業とは?

草の根事業への応募方法や留意点は?

の疑問にこたえます。

この記事では、JICAの草の根事業の概要、応募方法、留意点、そして採択される案件の特徴をご紹介します。

JICA 草の根技術協力事業

概要

草の根レベルで活動するNGO、自治体、大学、企業などが草の根事業をJICAに提案し、採択された場合に委託費を得て、JICAと団体で協力して実施する共同事業です。

JICAが政府開発援助(ODA)の一環で行われます。

JICAの目的と沿って、プロジェクトでも開発途上国の住民の経済・社会の開発や復興に貢献することが求められます。

多様化する開発途上国のニーズに対応するために、草の根レベルでのきめ細やかな協力を行うが目的です。

開発途上国への貢献だけでなく、この事業を通じて培った経験を踏まえて、日本の地域社会が直面する課題解決や、地域の活性化にも役立つ取り組みが期待されています。

重要な視点

JICAはこの視点を重要視しています。

  • 日本の団体が主体的に行う、人を介した「技術協力」であること。(現地関係機関との協働が前提)
  • 開発途上国の地域住民の生活改善・生計向上に役立つ事業であること。
  • 日本の市民の国際協力への理解・参加を促す機会となること。

事業形態

草の根技術協力事業には、次の3つの事業形態があります。

  • 草の根パートナー型
  • 草の根協力支援型
  • 地域活性型

それぞれの形態について、詳しく見ていきましょう。

草の根パートナー型

国際協力の経験が豊富なNGO等非営利団体、大学、公益法人等にむけて、2020年は2回の募集がなされました。

対象となる団体

  • 日本の法人格を有している
  • 開発途上国・地域への国際協力活動の実績が2年以上あること
  • 直近2会計年の「開発途上国・地域への国際協力活動の支出実績」の年平均額が、提案する事業費概算総額の各年平均と同額以上であること

事業規模・期間

  • 規模:総額1億円以内
  • 期間:5年以内

倍率

約2倍強です。2020年度第1回は17件の応募に対して、7件の採択でした。

2019年、2018年も同じような傾向です。

草の根協力支援型

国内での活動実績はあるものの、開発途上国への支援実績が少ないNGO等の団体を対象にした事業です。

提案団体が、開発途上国での国際協力の経験をつみ、事業終了後にも国際協力の担い手として活躍することが期待されています。

対象となる団体

  • 国際協力の経験が少ないNGO等非営利団体、大学、公益法人(任意団体含む)
  • 国内外での活動経験が2年以上

事業規模・期間

  • 規模:総額1,000万円以内(1件当たり数百万円の小規模案件も可)
  • 期間:3年以内

留意点

応募前の事前のコンサルテーションが必須となります。

国際協力活動のアイデアを持っている団体は、JICA国内機関に随時相談できます。

JICAに事業アイデアを提案することで、事業の骨格を整理するサポートを受けることできます。

事業アイデアへの事前のコンサルテーションをもとに事業提案書を作成する必要があります。

地域活性型

地方公共団体が主体となって提案・実施する事業形態です。

地方公共団体やその地域の企業の知見・経験・技術等を活用した海外展開と、途上国の開発課題の解決との両立を目指し、途上国への貢献だけではなく日本の地域や経済の活性化にも貢献するwin-winの関係を築くことが期待されています。

きめ細やかな協力の実施が期待されています。

対象となる団体

  • 地方自治体、自治体と連携する団体等

事業規模・期間

  • 規模:総額6,000万円以内
  • 期間:3年以内

応募方法

応募する方式により若干の違いはありませんが、このような流れで共通して審査・実施がなされます。

■審査段階

Step 1: 資格審査書類・事業提案書の提出

Step 2: 事業提案書の審査

Step 3: 採択内定、結果通知

■実施

Step 4: 相手国の了承取付

Step 5: 業務委託契約書の締結

Step 6: 事業実施スタート

Step 7: 進捗監理(モニタリング)と評価

詳しくはJICAのホームページをご覧ください

草の根パートナー型 応募の手続き

草の根協力支援型 応募の手続き

地域活性型 応募の手続き

留意点

業務完了後に契約金額の支払い

事業の実施にあたり、まずJICAと実施団体のあいだで業務委託契約書を交わします。JICAが委託した業務の完了が確認されたうえで、業務の報酬として契約金額の支払いがなされます。なので、事業活動中のキャッシュフローは確保しておく必要があります。

活動報告や会計報告など事務手続きが多い

JICAへの活動報告、事業評価や会計報告が必要となります。意外と書類手続きが多く、JICAの様式通りに行う必要があるので、事業以外にも業務が生じることは留意しておく必要があります。

新型コロナの影響

新型コロナの全世界的な感染流行により、当面の間は現地への渡航や日本での研修受け入れが難しい状況が続くと予想されています。

現地の状況によっては、採択後の事業実施方法の変更(オンラインなどでの日本からの遠隔での実施等)を検討する必要性が生じるかもしれません。

Take Action!

いかがでしたか?

この記事では、JICAの草の根技術協力事業について解説しました。

草の根レベルでの細かなニーズに応え、開発途上国の方々の生活をより良くする。

そういった目的で活動される皆様のお役に立てれば何よりです。

頑張るあなたを応援しています!次の記事で会いましょう!

出展

(注1) JICA: 草の根技術協力事業って何?

(注2) JICA:草の根パートナー型

(注3) JICA:草の根協力支援型

(注4) JICA:地域活性型

コメント

タイトルとURLをコピーしました