【ワンピースから考える社会問題】化学兵器を軍縮するも被害続く

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ワンピースが好きで社会問題に興味がある人
ワンピースが好きで社会問題に興味がある人

ワンピースで、メタファー的に取り上げられている社会問題について、分かりやすく、面白く、知りたい!

▽この記事で分かること

  • アニメ「ワンピース」より。化学兵器の開発
  • 世界で軍縮の流れだが、今も続く化学兵器の使用

この記事の作者は、ワンピースが大好きな、人道支援NGOの現役スタッフです。

ワンピースの中では、いくつか実在する社会問題がメタファーとして使われています。

ワンピースは社会の縮図、と言われるほどです。

読者の皆さんに、世界で続いている社会問題を、楽しく学び、興味をもってもらうきっかけになれればと思い、この記事を書きました。3分ほどで読めます。

※ワンピース作者が、実際にこの社会・環境問題を参考にしているかは分かりません。メタファーから連想される社会・環境問題を、独断と偏見で紹介しています(*^^*) ご了承ください♪

アニメ「ワンピース」より。化学兵器の開発

新世界にある「パンクハザード」という島には、恐ろしい野望を持つ科学者、シーザー・クラウンの研究所がありました。

シーザー・クラウンは、4年前に毒ガスの爆発事故を起こした首謀者でありながら、そのことを隠蔽し、事故に巻き込まれた囚人を救った英雄として、部下から英雄視されていました。(この狂気と非道さがヤバい…)

その部下にむけて、言い放った言葉がこちら。

シーザー・クラウン
シーザー・クラウン

黙れ 能無し共っ!!!

ここは軍の研究施設だぞ!!

海軍が いかに多くの海賊共を殺せるか!!!

そういう兵器を求められているんだ!!!

4年前の毒ガスをさらに開発し、さらに凶悪な化学兵器を生み出します…

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一方で世界に目を向けると、どうなのでしょう?

世界での化学兵器の軍縮の流れと、今も続く兵器使用のケースを紹介します。

世界で軍縮の流れだが、今も続く化学兵器の使用

化学兵器とは

化学兵器とは、化学剤を含む弾薬等を爆発等させることによって一度に大量の人を殺すものであり、大量破壊兵器のひとつです。

有名なのはサリンなどの毒ガスです。化学兵器には、次のような種類があります。(注1)

  • 神経剤…サリン、VXガスなど。神経伝達を阻害し筋肉痙攣や呼吸障害を引き起こす
  • びらん剤…皮膚や呼吸器系統に深刻な炎症を引き起こす
  • 塩素ガス爆弾…目や呼吸器の粘膜を刺激し,呼吸障害を引き起こす
  • 血液剤…血液中の酸素摂取を阻害し身体機能を喪失させる
  • 窒息剤…気管支や肺に影響を与え窒息させる

(シーザー・クラウンの攻撃はこの化学兵器の要素をおさえてデザインされていたのかもしれませんね)

化学物質は、洗剤や殺虫剤など私たちの生活を支えてくれています。

しかし、戦闘や人を殺すために使うと、とても残忍な兵器になるのです。

化学兵器禁止条約(CWC)

うわー!難しそうな条約キター!!

筆者
筆者

大丈夫です!

これは化学兵器のない世界をつくるための、人類の努力です。

分かりやすく解説します。

化学兵器は、第1次世界大戦で初めて使われてから、第2次世界大戦、冷戦などでも多く使われ何百万人もの命を奪ってきました。

特に、ベトナム戦争での枯葉剤は残酷な例として有名です。

冷戦の終結を受け、国際社会では「化学兵器を禁止しないと!」という意識が高まりました。

そこで、1997年に発効したのが化学兵器禁止条約(CWC)です。

この条約はとても効果があり、兵器をなくすことに成功しています。軍縮のモデル的な条約です。

その理由はこちらです。

  • 化学兵器を全面禁止…化学兵器の使用だけでなく、開発から生産、貯蔵・保有、移譲にいたるまで幅広い範囲を全面禁止にしている。ミサイルなども化学兵器を運搬する手段として禁止。
  • 大国が既に持っている化学兵器も全廃…アメリカやロシアなどが保有している化学兵器も「一定期間内に全廃」とする
  • 各国が持っている化学兵器の申告の義務化
  • 抜き打ち査察の受け入れの義務化
  • 加盟国は192カ国 (2021年現在)

つまり、世界でほとんどの国が「化学兵器をつくらない、持たない、使わない」と約束し、その疑いがある国は抜き打ち検査を受けます。

その実効性を支えているのが、化学兵器禁止機関(OPCW)です。

OPCWは、この条約に基づき、「申告」と「査察」を行います。

「化学兵器のない世界」を目指した幅広い努力が評価され、OPCWは2013年にノーベル平和賞を受賞しました。

シリアで続く化学兵器での攻撃

シリアでの内戦は10年目を迎え、「世界最悪の人道危機」ともいわれます。

シリアは2013年に化学兵器禁止条約に調印し、在庫を処分することに合意しました。

しかし、BBCによると、2014~2018年に106回の化学兵器での攻撃がなされたとのことです。

攻撃にはサリンなどが使われ、多くの証拠が、シリア政府が化学兵器を使ったことを示しています。

アブ・ジャアファルさん
アブ・ジャアファルさん

たる爆弾やロケットミサイルは人を即死させる。

苦痛を感じる余裕もない。

それに対して、化学兵器は窒息死をもたらす。

ゆっくりとした死だ。

人を溺れさせて酸素を奪っていくような死だ。恐ろしい

化学兵器禁止機関(OPCW)と国連がシリア政府が申告した1300トンもの化学物質を破壊した後も、シリアでの化学兵器攻撃は続いています。

Take Action!私たちにできること

いかがでしたか?

この記事では、こちらを解説しました。

  • アニメ「ワンピース」より。化学兵器の開発
  • 世界で軍縮の流れだが、今も続く化学兵器の使用

この問題について、あなたができることを3つ紹介します。

知る・広める

化学兵器の問題について、もっと調べたり、この記事で知ったことを家族や友達に伝えたり、拡散したりすることも1つの方法です。

また、アニメ「ワンピース」を観ながら、現実だとどうなの?と興味を持つことも大事です。

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支援する

ワールド・ビジョンでは、シリアの子どもへも、1対1での支援をできるのでオススメです。

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また、ユニセフ、国境なき医師団、UNHCRなどもシリアへの支援を行っています。

働く

化学兵器の問題を解決するために、国連、NGOなどで働くことも方法の一つです。

こちらの記事を参考に、キャリアを考えてみましょう。

最後に、シーザー・クラウンと対峙するルフィの言葉を紹介します。

ルフィは怒っていました。

マスターことシーザーを慕っていた人達をも何とも思わずに切り捨て、罪のない子供たちを自分の実験のための道具としていたシーザーを・・・。

シーザーは自信満々に、後ろ盾がいるのだと言います。

それは王下七武海のドフラミンゴと、そのドフラミンゴと繋がっている”四皇”。

そんな相手にケンカを売れるわけがないと思っていました。

ですが、ルフィはシーザーをぶっ飛ばし「そんなもん、いくらでも売ってきた!!!」と言い放ちます。

友情、努力、勝利!

頑張るあなたを応援しています!

次の記事で会いましょう!

出展

(注1) 外務省 わかる!国際情勢 最近の化学兵器の使用と国際社会の取り組み

(注2) BBC シリア内戦:化学兵器はどのようにアサド政権を支えたのか

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