ワンピースで、メタファー的に取り上げられている社会問題について、分かりやすく、面白く、知りたい!
パンクハザードで実験体にされていた子どもがいたけど、現実社会でもあるの?
▽この記事で分かること
- アニメ「ワンピース」より。薬物漬けにされた子どもたち
- [現実はより残酷]紛争地での子ども兵
- 私たちにできること
この記事の作者は、ワンピースが大好きな、人道支援NGOの現役スタッフです。
ワンピースの中では、いくつか実在する社会問題がメタファーとして出てきます。
ワンピースは社会の縮図、と言われるほどです。
読者の皆さんに、世界で続いている社会問題を、楽しく学び、興味をもってもらうきっかけになれればと思い、この記事を書きました。3分ほどで読めます。
※ワンピース作者が、実際にこの社会・環境問題を参考にしているかは分かりません。メタファーから連想される社会・環境問題を、独断と偏見で紹介しています(*^^*) ご了承ください♪
アニメ「ワンピース」より。薬物漬けにされた子どもたち
ついに〝新世界〟へと突入した〝麦わらの一味〟。
偶然「パンクハザード」という島からの緊急信号をキャッチし、その島を訪れます。
そこでは、恐ろしい野望を持つ科学者、シーザー・クラウンの研究所がありました。
子どもたちを誘拐し、「治療のため」という名目で研究の対象にします。
本当の目的は、兵士にするためでした。
子どもたちは覚醒剤「NHC10」をキャンディとして与えられ、巨大化します…
キャンディを控えると、怖い幻覚が見えたり、禁断症状を起こす子もいました。
子どもたちから助けを求められた麦わら海賊団は、シーザー・クラウンに立ち向かいます。
子供に泣いて助けてって言われたら!!!
もう背を向けられないじゃないっ!!!!
子どもたちは、無事に研究所から助け出されるのか…!?
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さて、これが現実社会だとどうなのか?
次の章では、子ども兵士の現状と原因を紹介します。
[現実はより残酷]紛争地での子ども兵
世界に目を向けると、何千人もの子供たちが徴兵され、兵士として戦闘に参加している現実があります。
ユニセフによると、2005年から2020年の間に、93,000人以上の子どもたちが紛争当事者の元で採用・使用されたことが確認されています。(注1)
実際にはもっと沢山いるでしょう。その数は、25万人ともいわれています。(注2)
子ども兵士がいる国
子ども兵士が最も多いのはアフリカ地域です。コンゴ民主共和国、ソマリア、スーダン、南スーダン、ナイジェリア、中央アフリカ共和国などです。
ミャンマー、シリア、イエメン、コロンビアなど、アジア・中東・南米でも、子ども兵士が確認されています。(注2)
なぜ子ども兵士が生まれるのか?
子どもたちは様々な理由で、紛争に参加します。
誘拐や強要でなく、自らの意思で参加する子もいるのです。どのような背景で子ども兵士が生まれるか?、原因は様々ですが、一部はこちらです。(注3)
子どもを武装集団へと駆り立てる状況・環境
子どもたちを取り巻く環境が大きく影響しています。
- 家庭が貧しい
- 仕事がない
- 食べ物がない
- 部族主義での対立
- 安全な場所がない
- 警察や武装集団による暴力
武装集団に参加することで得られる報酬
子どもたちは武装集団に参加することで、このような報酬を得られると知っています。そのため、自ら望んで参加してしまう子もいるのです。
- 食べ物
- お金
- 暴力からの保護
- 社会的地位の向上
- 家族や愛する人を守る力
- 誘拐や強要される
想像してみてください。
戦闘に巻き込まれて、家族が死んでしまう。
一人で生きる必要がある。
食べ物もない、仕事もない…
そんな状況で、仲間もいないストリートチルドレンよりは、ご飯も食べれて仲間もいる武装組織の方が居心地良い。家族の復讐もできる。
そのために、自ら志願して兵士になる子もいます。
人種主義の問題で、フツ族は私のお母さんをマチェーテで殺しました。
私は、すべてをかけて、お母さんの死の復讐をしたい。
これが、紛争が終わらない理由です。
紛争は、日常を破壊し、女の子にこんなことまで言わせてしまうのです。
元子ども兵士の証言:レイプ、殺人、薬漬けの日々
ユニセフより、実際にあった少年兵、イブラヒム君のストーリーを紹介します。(注5)
武装勢力は、誘拐してきた子どもたちに、躊躇なく人を殺させるために、イブラヒム君や友人を薬漬けにしました。
3カ月の間、武器の使い方、上官へのあいさつの仕方などを叩き込まれました。…特に射撃はたくさんしました。
そして、躊躇せずに人を殺し、女の子や女性をレイプすることを強いられました。
自分たちはとても強い存在だ、と証明するためでした
ほとんどの時間、特に暴力的な行為をするとき、イブラヒムくんも友人も薬物を使用してたといいます。
子ども兵は、子どもらしく生きる権利を奪われ、薬物で紛らわせないと、心を保てないのです。
この状況に耐えきれなくなり、決死の想いで脱出したイブラヒム君は、故郷に戻ることができました。
しかし、家族からは拒絶を受けます。
そこで傷ついたイブラヒム君は、また武装勢力に戻ってしましました。
学校にもう一度通いたいです。
でも、軍の上司が許してはくれません。
もう僕は18歳(大人)になってしまいました。
でも、何かをずっと、失ったままだと感じるのです。
学校に通うことができれば、僕もフランス語を学んだり、読み書きを勉強できるのに…
子ども兵士の解放と徴兵廃止に向けた取り組み
子どもたちを戦争の道具にしないことを目的に、2007年に「パリ原則」がスタートしました。
さまざまなNGOや国際機関が取り組みを行っていますが、その中でもユニセフは、子ども兵士の解放と新たな徴用廃止を紛争当事者へ呼びかけています。(注4)
2017年までの10年で子ども6万5,000人が武装勢力・集団から解放されました。
解放された子どもたちは精神的トラウマを抱えており、長期的なケアを必要としているため、適切に保護し支援し続けなければ、再び武力勢力に戻ってしまう危険性もあります。
解放された子どもたちに、長期的にこのようなケアをしていくことも大切です。
- 医療ケア
- 心理社会的サポート
- 家族との再会
- 教育・職業訓練プログラム
このような活動をユニセフやワールド・ビジョンなどを通じて支援できます。
Take Action!私たちにできること
いかがでしたか?
この記事では、こちらを紹介しました。
- 漫画「ワンピース」の中。薬物漬けにされた子どもたち
- [現実はより残酷]紛争地での子ども兵
この問題について、あなたができることを3つ紹介します。
- 知る・広める
- 支援する
- 働く
知る・広める
子ども兵士の問題について、もっと調べたり、この記事で知ったことを家族や友達に伝えたり、拡散したりすることも1つの方法です。
また、アニメ「ワンピース」を観ながら、現実だとどうなの?と興味を持つことも大事です。
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支援する
ワールド・ビジョンでは、元子ども兵士だった子へも、1対1での支援をできるのでオススメです。
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また、ユニセフ、アムネスティ・インターナショナルなどでも元子ども兵士への支援を行っています。
働く
子ども兵士の問題を解決するために、国連、NGOなどで働くことも方法の一つです。
こちらの記事を参考に、キャリアを考えてみましょう。
最後に、ワンピースのナミの言葉です。
子供に泣いて助けてって言われたら!!!
もう背を向けられないじゃないっ!!!!
私たち一人ひとりの力は微力ですが、集まれば大きな力になります。
頑張るあなたを応援しています!
次の記事で会いましょう!
出展
(注1) UNICEF:Children recruited by armed forces and armed groups
(注2) World Vision; 子ども兵士がいる国はどこ?子ども兵士の数と理由を調べよう
(注3) War child, why do children become child soldiers? (2018.5.25)
(注4) ユニセフ 子ども兵士からの解放 紛争に利用される子どもをなくすために…
(注5) ユニセフ チャド:元子ども兵の証言 レイプ、殺人、薬漬けの日々
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