ロシアに侵攻されているウクライナの人びとを応援したい。
ウクライナでの人道支援ニーズは?
各団体の支援状況はどうなってるの? 信頼できる寄付先の選び方は?
国際NGOの現役スタッフが分かりやすく解説します。
ロシアの軍事侵攻を受けて、緊迫した状態に陥ったウクライナ。
この記事を読むと、ウクライナでの人道支援ニーズ、各団体の支援状況、そして信頼度の高い寄付先の選び方が分かります。3分ほどで読めます。
ウクライナでの人道支援ニーズ
ロシアがウクライナに侵攻し危機が深まる中、すでに6000人(推定)が死亡し、安全を求めてすでに300万人以上の人々が避難しています。(注2)
このような人道支援ニーズが急速に高まっています。(注1,2,3)
- 人々の命をつなぐ水、保健・医療
- 現金または必要物資と交換できるバウチャーの配付
- 避難のための移動手段や燃料の提供
- 寒さをしのぐための支援
- 避難所やシェルター支援
- 国外に逃れ難民となった人びとの支援
- 教育を継続するための支援
- 心のケア
ウクライナへの各団体の支援状況
結論から言うと、各団体の活動状況はこちらです。(2022/3/16時点)
活動 | ウクライナなどの緊急募金 | |
ウクライナ政府(在日ウクライナ大使館) | 人道支援や復興事業 | 募金受付中 |
ユニセフ | 保健、水と衛生、子どもの保護、教育、社会的保護の分野での支援 | 募金受付中 |
UNHCR | 緊急救援活動、防寒支援、現金給付をともなう自立支援等 | 募金受付中 |
ADRA | 生活必需品や避難所を提供 | 募金受付中 |
ピースウィンズ・ジャパン | 難民支援 | 募金受付中 |
AAR Japan | 難民支援 | 募金受付中 |
日本赤十字 | 生活必需品や避難所を提供 | 募金受付中 |
セーブ・ザ・チルドレン | 生活必需品や心のケア | 募金受付中 |
国境なき医師団 | 救急外傷キットの提供、緊急援助 | 募金受付中 |
国連WFP | 食糧支援 | 募金受付中 |
ジャパン・プラットフォーム | 情報収集中 | 募金受付中 |
ワールド・ビジョン | 人道支援計画を作成中 | 募金受付中 |
各団体について見てきましょう。
在日ウクライナ大使館
ロシア軍の侵攻を受けているウクライナ政府が、ウクライナを応援したい人々に向けた寄付金を募っています。
在日ウクライナ大使館の公式Twitterが、振込先の銀行口座を発表しました。(2月25日)
ウクライナ政府に寄付すると、武器の購入などに充てられるのでは…?
そのように懸念する声もありますが、
大使館は「全額人道支援や復興のために活用させてもらう」と言っています。
ユニセフ
ユニセフでは「保健」、「水と衛生」、「子どもの保護」、「教育」、「社会的保護」の分野での支援を既に開始、もしくは行う予定です。
約70億円(6,640万米ドル)の資金が必要となる見込みから、使途をウクライナに限った「ウクライナ緊急募金」を募っています。(注1)
UNHCR
UNHCRは1994年からウクライナでの支援活動を開始。何千人もの民間人が犠牲となった2014年のウクライナ紛争後も、銃撃が止まないドネツクやルハンシク等の現地で、国内避難民等の支援対象者に重要な救援物資や避難所を提供してきました。
今回の危機対応の主な活動として、緊急救援活動、防寒支援、現金給付をともなう自立支援を行っています。
※寄付金は、ウクライナとヨーロッパ地域での救援活動に充てられます。
ADRA
アドラは1993年からウクライナでの支援活動を開始。ウクライナにおいて寒い季節を乗り切るための越冬支援や安全な飲料水の提供、住宅や学校、病院などの復旧支援、心に傷を負った方の心理的サポートなど、100万人以上の方に寄り添ってきた支援実績があり、今回の状況の中でもウクライナ政府から複数分野での支援要請を受け、すでに支援に必要な調査や調整に動いています。(注3)
「ウクライナ緊急支援」の寄付を募っており、現地調査、生活必需品の支援、影響を受けた方への現金やバウチャーの配布、避難場所の提供などの支援を行います。
※状況によって支援する内容や活動が変更・追加となる場合があります。寄付金の内、最大20%を運営費として活用します。
ピースウィンズ・ジャパン
今後、ウクライナからの避難民が増えることが予想され、さらにその他の支援が必要になる可能性が高まったことを受け、ピースウィンズ・ジャパンは隣国ポーランドにスタッフを派遣し、現地情勢の分析などの調査を開始しました。(注6)
想定される支援例は、被害を受けた方への緊急支援、食料支援、緊急物資支援、その他被災地のニーズに応じた支援、支援に伴う事務局運営費があげられています。
AAR Japan
ウクライナ難民支援のための情報収集調査中です。
食料や生活必需品など、現地で必要とされる支援が想定されます。
日本赤十字
ウクライナ赤十字社は、スタッフとボランティアの安全を確保しながら、暖かい衣服、食料、衛生用品などの必需品を集め、避難してきた人々のために避難所を提供しています。(注8)
※国際赤十字・赤新月社連盟、赤十字国際委員会、および各国赤十字・赤新月社が実施する、ウクライナでの人道危機対応及びウクライナからの避難民を受け入れる周辺国とその他の国々における救援活動を支援するために使われます。
セーブ・ザ・チルドレン
冬を越えるためのキットや衛生用品キットを配布し、食料、住居、薬などの基本的なニーズを満たせるよう、家族に現金を提供していくこと。また、紛争による精神的・心理的な影響を軽減できるよう、子どもたちを支援していくなど、支援活動の準備を行っています。
※寄付はウクライナとその周辺国での子どもの緊急援助に充てられます
国境なき医師団
ウクライナと近隣諸国で、衣料や食料などの必要物資の配布、避難所の提供、救急外傷キットの提供や緊急援助を行っています。(注7)
※寄付はウクライナを含む緊急事態に即応するために充てられます。
国連WFP
ウクライナ国内、また近隣諸国へ紛争から避難している人びとへ緊急の現金支給や食料支援を行っています。(注9)
ジャパン・プラットフォーム
ウクライナ国内で支援を必要とされている人々、および国内や周辺国などに避難している人々へ、食料、シェルター/NFI、水・衛生、保健・医療、教育、保護などの人道支援活動を実施していきます。(注4)
ワールド・ビジョン
ウクライナ国内での食料配布や病院の備品の支援、国境を越えてルーマニア等の近隣国に避難してきたウクライナの子どもたちや人々の支援などを行っています。(注5)
信頼度の高い寄付先の選び方
結論から言うとこちらです。
- ウクライナや周辺国で人道支援の活動中
- 活動に基づき、ウクライナに使途を限った募金を集めている
- ウクライナ支援に関する活動報告をする予定である
- 「認定NPO法人」や「公益財団法人」で寄付金控除に活用できる
緊急募金は、話題性の高い時にスピーディに募金開始すると、寄付が集まりやすいです。
そのため、現地での活動開始の前に募金をスタートする団体もあります。
しかし、留意すべき点は、ウクライナでの活動費以上に寄付が集まった場合、ウクライナ以外での活動に充てられる可能性があることです。(各団体とも、留意点としてきちんと伝えています)
それでは、当初の約束と違うことになりかねません。
「ウクライナの人びとのために寄付したい」と考えている方は、次の観点で寄付先を選ぶのがオススメです。
- ウクライナや周辺国で人道支援の活動中
- 活動に基づき、ウクライナに使途を限った募金を集めている
- ウクライナ支援に関する活動報告をする予定である
- 「認定NPO法人」や「公益財団法人」で寄付金控除に活用できる
この観点で言うと、寄付先としてこちらの信頼度が高いと思います。
Take Action!
いかがでしたか?
私たちは微力ですが、無力ではありません。
好きな言葉に「すべてはできなくても何かはできる」という言葉があります。
みんなの力が集まれば、きっと大きなエネルギーになると信じています。
「いま、ここでできること」に意識を向けましょう。
その1つの方法が「寄付」だと思います。
この記事では、ウクライナ支援の方法として7つ、その中でも信頼度の高い4つを紹介しました。
あなたの寄付先選びのお役に立てれば嬉しいです。
頑張るあなたを応援しています!
次の記事で会いましょう!
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出展
(注1) unicef, ウクライナ危機
(注2) UNHCR ウクライナ緊急事態
(注3) ADRA ウクライナ緊急支援
(注4) ジャパン・プラットフォーム:ウクライナ人道危機2022
(注5) ワールド・ビジョン ウクライナ危機のための募金受付について
(注6) ピースウィンズ・ジャパン【ウクライナ危機 ロシア侵攻に伴う緊急支援】へのご寄付
(注7) 国境なき医師団 ウクライナ
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