- SDGsとは?
- SDGs達成に向けた日本の国家戦略とは?
- SDGsでどのような分野にどれくらいの市場機会があるのか?
- SDGsについてIT企業ができることは?取り組みは?
の疑問にこたえます。
この記事では、SDGs達成に向けた日本の戦略、SDGsでの市場機会、IT企業のSDGsの取り組みとしてNECの事例を解説します。
SDGsとは
2015年8月、すべての国連加盟国が2030年に向けた「持続可能な開発目標(SDGs)」に合意しました。
SDGsでは、持続可能な開発課題や先進国・企業を含む地球全体で取り組むべき課題(17の目標と169項目の具体的な達成基準)を幅広くカバーしています。
開発課題の解決に向けて、国連は2030年まで年間2-3兆ドルの予算を投じる事を明言しました。
▽詳しくはこちらの記事をご覧ください。
SDGs達成に向けた日本の国家戦略
現在、日本の科学技術政策として内閣府が進めているのが「ソサエティ5.0 (Society 5.0)」です。
『Society 5.0とは、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服するような世界』を目指しています。
2016~2020年度の5年間で、約26兆円の研究開発投資を予定する巨大プロジェクトで、IoT、ビッグデータ、AI、ロボットといった先進技術によってもたらされる未来社会のビジョンを提示し、それに沿った産業の育成を官民一体で推進すべく進められています。
Society 5.0のビジョンはSDGsの理念と強い親和性があり、経団連では「Society 5.0 for SDGs」として、SDGsの17の目標に、Society 5.0が推進する技術や産業を生かしながら取り組む構想を示しています。(注1)
▽詳しくはこちらの記事もご覧ください
また、落合陽一さんの「2030年の地図帳」では、2030年の社会に影響する破壊的テクノロジー分野として次の5つを紹介しています。
- AIなど機械学習関連技術領域
- 5G
- 自立走行(自動運転)
- 量子コンピューティング
- ブロックチェーン
- SDGsによるIT業界の市場機会
SDGsの各目標の市場規模
SDGsの各目標の市場規模
デロイトが2018年に行った試算によると、SDGsの各目標の市場規模は約70兆~800兆円程度であり、大きなビジネスチャンスをもたらす市場となっています。(注2)
分野ごとのSDGsの市場規模
ビジネスと持続可能な開発委員会(BSDC)の試算によると、モビリティ(移動)システムは2.02兆ドル、ヘルスケアソリューションは1.65兆ドル、エネルギー効率化は1.35兆ドル、クリーンエネルギーは1.2兆ドルなどと見積られています。(注3)
[出典] Literature search; AlphaBeta analysis (注3)
デジタル化による経済効果
また、三菱総研の調査によると、世界全体におけるデジタル化による経済効果(増分)は約173兆円/年になると試算されています。
Society 5.0の経済効果
富士キメラ総研の調査によると、2018年のSociety 5.0関連市場は11.3兆円まで拡大しました。そのなかでも特にセンサー関連は、スマートフォン、自動車、制御機器、AI関連機器で多く採用増が期待され、2025年には17兆円まで市場は拡大する見込みです。 (注4)
企業にとってSDGsビジネスのメリットは大きいにもかかわらず、SDGsをビジネスチャンスとして認識している割合は37%にとどまり、欧州(約64%)と比べてとても低いという調査結果もあります。
SDGsは①大きな機会を創出する、②SDGsでリスクを最小化する、③SDGsは経済活動の土台をつくるため、ビジネスにおける重要性は増しています。
▽SDGsがビジネスで重要視される理由はこちらで詳しく紹介しています。
IT企業のSDGsの取り組み
IT企業の取り組み
ITソリューションを通じてのSDGsへの貢献にあたっては、きちんと自社の戦略や事業の中でSDGsを位置づけ、企画・実行のためのプロジェクトチームを構成する必要があります。
具体的なSDGsへのアプローチ方法は、こちらの記事で紹介していますので、併せてご覧ください。
新卒や中途で優秀な人財を確保し続けるためにも、SDGsへの対応は重要になります。
より具体的・実践的にSDGs対応の方法を知りたい方は、田瀬和夫さんの「SDGs思考 2030年のその先へ 17の目標を超えて目指す世界」がおススメです。
事例紹介:NEC
NECは「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会を実現」することを目指しています。
NECグループ一人ひとりが自助の精神を持って、社会やお客さまの期待を率先して汲み取り、考え、行動し、新しい価値を提供し続けることで、全てのステークホルダーとの信頼関係をより強固にするとともに、全世界共通の社会課題解決の目標であるSDGs達成にも貢献してまいります。
[出典] NEC社長メッセージ
NECが取り組む社会課題や、社会価値のインパクトは、SDGsの目標をターゲット番号レベルで確認し、その進捗を検証しています。
具体的には、AI、生体認証技術などのITソリューションを生かし、次のような事業を行っています。
Take Action!
SDGs達成に向けて、日本は国家戦略としてSociety 5.0に取り組み、IoT、ビッグデータ、AI、ロボットといった先進技術によってもたらされる未来社会のビジョンを示し、それに沿った産業の育成を官民一体で推進すべく進められています。
Society 5.0のビジョンはSDGsの理念と強い親和性があり、経団連では「Society 5.0 for SDGs」として、SDGsの17の目標に、Society 5.0が推進する技術や産業を生かしながら取り組む構想を示しています。
SDGsによる市場機会は
- 各目標の市場規模:約70兆~800兆円程度
- 分野ごとの市場規模:モビリティシステムは2.02兆ドル、ヘルスケアソリューションは1.65兆ドル、エネルギー効率化は1.35兆ドル、クリーンエネルギーは1.2兆ドル
- 世界全体におけるデジタル化による経済効果(増分):約173兆円/年
- Society 5.0の経済効果:2025年には17兆円まで市場拡大の見込み
企業にとってSDGsビジネスのメリットは大きいにもかかわらず、SDGsをビジネスチャンスとして認識している割合は37%にとどまり、欧州と比べて低い傾向にあります。
事例として、SDGsを社会課題のビジネスチャンスと捉えているNECの取り組みを紹介しました。
読者の皆さんのお役に立てれば嬉しいです。
頑張るあなたを応援しています!次の記事で会いましょう!
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出典
(注1) Society 5.0 for SDGs
(注2) デロイト トーマツ コンサルティング SDGs(Sustainable Development Goals)関連ビジネスの世界市場規模を目標ごとに約70~800兆円と試算
(注4) 世界 Society5.0<ソサエティー5.0> 市場規模(兆円, 2017-2025)
(注5) 三菱総合研究所 デジタル化の社会的・経済的効果について
(注6) NEC サステナビリティ
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