JICA特別嘱託まとめ:仕事内容、給与・待遇、応募方法【スペシャリスト向け】

JICA

JICA特別嘱託とは?

特別嘱託の給料・待遇は?応募方法は?

この疑問にこたえます。

この記事を読むと、特別嘱託の仕事内容、求められている支援分野、給与・待遇、応募方法が分かります。

2020年1~9年の特別嘱託の公募内容を比較し、総論をまとめました。まず特別嘱託のメリットとデメリットはこちらです。

特別嘱託とは

役割・仕事内容

特別嘱託は、人材確保が困難な分野の専門技術を有する人材で、専門家・企画調査員として1年以上の派遣経験を有する方または他の国際経験等、これと同等の経歴を有する方を委嘱する制度です。委嘱終了後は、原則として当該分野の専門家等として海外に長期派遣可能な方が対象となります。

特別嘱託としての委嘱期間中は、JICA本部にて、各人の専門性を活かしながら、情報収集や分析、プロジェクト形成のための事前調査から、実施中のプロジェクトの支援業務に従事します。(注1)

特別嘱託のフロー [出典]上記を踏まえて筆者作成

メリット・デメリット

メリット

  • エネルギー、保健医療、栄養、防災等の専門性を生かして、プロとして国際協力の仕事をできます!
  • 所属先があっても、所属先との合意次第で辞めずに籍をおいたまま特別嘱託としてJICA案件を受けられます。(cf.ジュニア専門員では所属先を辞めなければなりません)

デメリット

  • 他のJICA案件に応募中・選考中であれば、特別嘱託に応募できません。
  • 所属先のある場合は、①委嘱期間中は所属先からは無給であること、②委嘱期間中はJICAの労働保険・社会保険に加入することが求められます。所属先とJICAのそれぞれとの調整が求められます。

契約形態

委嘱

業務期間

1~2年

求められる知識・経験

特別嘱託は、専門分野・地域の知識と経験を活かし、個別の案件やプロジェクトなどをサポートします。また、将来の技術協力専門家もしくは企画調査員としての派遣を想定していることから、分野・課題専門力、地域関連知識・経験、そして援助関連知識・経験が必須となります。

これらの能力の裏付けとなる経験としては、JICAの技術協力プロジェクト専門家などとしての経験、国際機関やNGO/NPO等での経験、また大学や研究機関等での経験があげられます。(注1)

2020年1~9月に募集された分野

  • 平和構築支援
  • 都市開発管理/建築行政
  • 防災行政
  • 地震防災
  • 気候変動/防災
  • 気候変動対策
  • 民間セクター開発
  • 南部アフリカ地域 案件形成・管理(インフラ、産業・民間セクター等)
  • アジア・大洋州地域を中心とした保健医療事業推進
  • 高等・技術教育支援
  • 中米地域における算数教育
  • 水道事業経営
  • 分散型エネルギー人材育成
  • 帰国外国人材支援
  • アフリカ栄養・食料安全保障(注2)

求められる資質・能力

特別嘱託に求められる資質と能力は以下の通りです。どの案件でも共通していることは、高いコミュニケーション能力が求められることです。(注2)

  • 分野・課題専門力   ★★ or ★★★
  • 総合マネジメント力  ★★ or ★★★
  • 問題発見・分析力   ★★
  • コミュニケーション力 ★★★
  • 援助関連知識・経験  ★★
  • 地域関連知識・経験  ★★

[★★★:非常に重視する ★★:重視する ★:参考程度 -:不問]

詳しくはこちらのリンクをご覧ください

応募条件

語学力

英語」が“必須”もしくは“望ましい”として求められる案件が多いです。

英語では、①高いコミュニケーション能力を有すること、②TOEIC730点以上もしくはTOEIC860点以上相当が求められます。

また、活動する地域によって、フランス語圏ではフランス語(仏検2級、DELF第1段階(DELF B1))が必須となり、

スペイン語圏ではスペイン語(西検2級、DELE中級(B2))が必須として求められます。(注2)

学歴

多くの場合「学士以上」ですが、保健医療分野では「修士以上が望ましい」とされています。(注2)

関連実務年数

多くの公募の場合、次の要件が必須として求められます。(注2)

  1. 当該分野に関連する5年以上の実務経験
  2. JICA専門家/企画調査員として1年以上の派遣経験もしくは同等の海外経験を有すること

保健医療では、上記に加えて「3年以上の看護師、保健師、助産師等としての業務経験や看護の臨床の現場での指導経験があるとさらに望ましい」とされています。

また、平和構築では、さらに厳しい基準で「当該分野に限らず10年以上の業務経験」、「紛争影響国/地域での農村開発分野における経験をゆうすることが望ましい」とされています。

必要な業務経験・能力

特別嘱託で共通して、以下のスキルが必須とされています。(注2)

  • 援助スキームに関するコンサルテーション能力
  • プロジェクト計画・立案能力
  • 契約交渉能力
  • 報告書作成能力
  • 情報処理能力
  • プレゼンテーション能力
  • 事務(経理を含む)処理能力

待遇

(1)手当

JICA規程に基づき、基本手当(前歴換算の上決定)、交通費及び時間外手当を支給。

(2)勤務時間

午前9時30分~午後5時45分

(3)休日・休暇

土日祝祭日のほか、年次有給休暇、特別有給休暇、年末年始等の休日あり。

(4)福利厚生

社会保険(健康保険、厚生年金)、労働保険(雇用保険、労災保険)へ加入。

(5)解嘱について

委嘱期間中、傷病その他の事由により業務の遂行が困難と認められる場合、または委嘱の継続が適当でないと認められる場合は、解嘱することがあります。(注2)

応募方法

PARTNERから応募できます。過去の募集内容はこちらです。

特別嘱託の過去の公募内容
[出典]PARTNERより

提出書類

  1. 専門家履歴書(提出必須)
  2. 写真(提出必須)
  3. 業務企画書(提出必須)
    • ① 本件業務に「求められる資質と能力」の内、特に「★★★」並びに「★★」としている項目を参考にして、本業務に対応可能であることを説明して下さい。 なお、以下の点を含めるようにして下さい。
      • ご自身の長所・短所
      • 具体的な経験・実績
    • ② ご自身で収集した本案件に関連する情報を分析したうえ、本業務を進める上でご自身が優先的な取組みが必要と考えること、留意すべきこと、具体的に実施しようと考えていることについて述べて下さい。
    • ③ ご自身の事務処理について経験例を挙げて、自己評価して下さい。
  4. 語学資格証明書(写)
  5. 海外居住状況確認書(提出必須)

選考手順

  • 応募書類に基づく書類選考
  • 面接選考
  • 面接選考結果通知
  • 健康診断

Take Action!

特別嘱託は「人材確保が困難な分野の専門技術のあり、1年以上の国際経験のある即戦力人材」がJICAとの委嘱を受ける制度です。

求められる分野は、平和構築支援、気候変動対策、防災、民間セクター、保健医療、教育、農業などで、国内での委嘱終了後には、長期派遣専門家として海外に派遣されます。

メリットは、①専門性を生かしてプロとして国際協力の仕事をできること、②所属先との調整次第で籍を残したままJICA案件を受けられること。

デメリットは、①他のJICA案件との併願はできないこと、②所属先がある場合に、派遣期間中は所属先からは給与・労働保険・社会保険を受けてはならないため、調整が必要なことです。

読者の皆さんのキャリア選択のお役に立てれば嬉しいです。

頑張るあなたを応援します!次の記事で会いましょう!

関連記事はこちらです。

出典

(注1) 特別嘱託

(注2) 特別嘱託の2020年1~9月募集の複数の公募情報をPARTNERより参照

コメント

  1. quetiapine より:

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