アフリカでのIT市場規模などのマーケット事情は?
開発機関の動向は?日本企業の取り組みは?
の疑問にこたえます。
この記事では、近年に急速に伸びているアフリカの経済動向やITについてマーケット事情、開発機関や日本企業の取り組みについて解説します。
アフリカ市場のポテンシャル
Overview
経済成長の著しいアフリカで、世界からの注目が集まっています。
特筆すべき数字はこちらです。
- 経済成長率4%(African Economic Outlook 2019年によると、2019年の経済成長率は4%です)
- アフリカの域内の総生産2.5兆ドルの巨大市場(2019年5月にアフリカ域内の貿易活性化を目指し、アフリカ連合(AU)の加盟国が参加するアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)協定が発効しました。)
- 2050年の人口予測25.3億人(World Population Prospect 2017によると、2017年に12.6億人でしたが、2050年には25.3億人の市場になるとの予想です)
- 急成長国の半数はアフリカ(2014年~2017年の5年間で、世界で最も急速な経済成長率がみられた12カ国のうち6カ国がアフリカの国です。エチオピア、コンゴ民主共和国、コートジボワール、モザンビーク、タンザニア、ルワンダ)
- ビジネスがしやすい100の国のうち10カ国がアフリカの国(モーリシャス(20位)を筆頭に、ルワンダ、モロッコ、ケニア、チュニジア、南アフリカ、ボツワナ、ザンビア、セーシェル、ジプチがランクインしています。日本は39位です)
デジタル化
アフリカでは、日本では見慣れた銀行や固定電話、高速交通網などのインフラには遅れがあります。
しかし、そういった「後発」の立場を強みに、先進国の仕組みを一足飛びに導入し、ドローンでの物資の配送、仮想通貨での送金など、急速にデジタル化が進んでいます。
ルワンダでは、ドローンで遠隔地に輸血用血液やワクチン、医療器材などを届ける配送事業が行われています。
また、モバイルマネーなどを活用した新たなビジネスを興す動きが盛んです。
この主役は現地のスタートアップで、農業、物流などのさまざまな分野での、現地の社会課題をデジタル技術で克服し、小規模事業者等を取り組むビジネスを生み出しています。
例えば、ケニアでの暗号通貨での送金サービスのBitPesa、チュニジアで高知能ロボット開発をおこなうEnova ROBOTICSなどが有名です。
開発機関や日本企業の動向
世界銀行
世界銀行は、アフリカでの次世代の起業家を生み出すチャンス、公共サービスの向上のチャンスとしてデジタル化に注目しています。
人材のデジタル技能の向上、科学技術の進歩、そして市場へのアクセスを高めることで、自立的に経済を豊かにする基盤を整え、貧困を削減するビジョンを描いています。
2021年までにブロードバンドアクセスを倍増させ、2030年までに、すべての人々、企業、政府がデジタルを活用できるようにすることを目指しています。
JETRO, JICA, UNDP
ODAでの支援だけでなく、アフリカでのビジネスを検討・展開する日本企業に対し、段階に応じた様々な支援メニューを提供しています。
JETRO、JICA、UNDPでそれぞれ対応できる国/できない国がありますが、3つあわせればアフリカ大陸すべてをカバーしています。
詳しくはこちらをご覧ください。
日本企業の取り組み
日本の大企業だけでなく、中小企業もアフリカでのビジネスに参入しています。
JETROがアフリカ24カ国に進出する日系企業392社に向けて行った調査によると、アフリカに進出している日系企業の動機は「市場の将来性」や「市場規模」としている企業が多いです。
進出した企業の約半数が、2018年の営業利益の見通しが黒字としています。
その中で「今後事業を拡大する」とした企業は約57%で、現状維持の34%、縮小3%、移転・撤退4%と比べて、事業拡大する企業の割合が高くなっています。
その一方で、アフリカでのビジネスでは、規制・法令の整備、運用面のさらなる環境改善が求められています。
ここでは、アフリカでの事業をさらに拡大させた例をご紹介します。
株式会社キャンサースキャン 健康診断受診者拡大事業 @ケニア
ケニアでの非感染症疾患(NCDs)の罹患拡大、肥満や高血圧などのハイリスク患者の増加などといった状況を踏まえて、2014年からケニアに株式会社AfricaScanを設け、予防医療・マーケティング調査事業を行っています。
事業内容は、こちらです。
- マーケットリサーチコンサルティング
- 医療・ヘルスケア人材育成サービス(MedicScan Academy)
- 医療情報提供サービス(MedicScan)
DIVE INTO CODE
「国境も年齢も関係なくすべての人がテクノロジーを武器にして活躍できる社会をつくること」を目指し、エンジニア育成のためのプログラミングスクール事業を行っています。
2017年からルワンダでのパートナー企業との提携を開始し、今ではセネガル、ベナン、ミャンマーの民間企業や国立大学との提携を行っています。
2020年から、キャンサースキャンと連携して、ケニアにもプログラミングスクールの事業を拡大させます。
Take Action!
いかがでしたか?
市場としてのポテンシャルが高いアフリカでは、特にITを活用したビジネスへの注目が高まっています。
この記事でも、皆さんにアフリカの魅力を知ってもらい、関心を高めるお手伝いになれば幸いです。
頑張るあなたを応援しています!次の記事で会いましょう!
出展
(注1) JETRO, JICA,UNDP:アフリカの成長をビジネスの成長に
(注2) ケニア共和国における医療・ヘルスケアに特化したエンジニア育成事業を開始!エンジニアスクールを運営する株式会社DIVE INTO CODEと業務提携
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