- JICAの専門家の種類とは?
- 専門家の長期派遣と短期派遣での待遇は?
- 専門家と国際協力専門員との違いは?
- 応募条件や待遇はどうか?
の疑問にこたえます。
この記事を読むとJICAの専門家の種類、その違い、待遇、応募条件・方法が分かります。
「社会に出て5~8年以上たって、国際協力の現場でも貢献したい!」
「この専門性を使って貢献したい!」
という方にまさにおススメなポジションです。
JICA専門家の種類
専門家の種類は大きく次の4種類があります。
専門家の長期派遣と短期派遣での待遇
在勤基本手当・国内俸
専門家へのいわゆる”給料”は、在勤基本手当と国内俸からなります。この額はJICAの格付けと派遣国で決定されます。
専門家には大卒後年数に関わらず職務格付けが適応されます。
また、学卒格付けは、有償・無償・技協などのJICA案件のコンサルなどに適応されます。 (注3)
在勤基本手当
在勤基本手当は、格付のランクや派遣先の国により異なります。
在勤基本手当の例 (2018年10月~)はこちらです。
- インドネシア
- A(2号-2)350,400円 B(3号) 350,400円 C(4号) 331,100円
- インド
- A(2号-2)472,200円 B(3号) 450,900円 C(4号) 429,500円
- ケニア
- A(2号-2)513,000円 B(3号) 489,400円 C(4号) 465,800円
国内俸
JICAは「専門家のうち、所属先を有さない者又は所属先からの給与の支給を受けない者に対し、専門家の号又はシニア専門家の区分に応じて国内俸を支給する」と定めています。
長期派遣では3カ月以内、短期派遣では1カ月以内の支給を受けることができます。(注4)
国内俸+在勤基本手当の額は、最低65万円以上とも言われています。
長期・短期派遣での待遇の違い
長期派遣では海外への転居を前提とするため、家族の同伴や移転支援が含まれています。短期派遣では1年未満での出張ベースでの派遣を前提とした待遇となっています。下線部は長期派遣、短期派遣での主な違いです。
次の表で、専門家の長期派遣と短期派遣での待遇の違いをまとめました。
専門家と国際協力専門員の違い
専門家と国際協力専門員、とっても紛らわしいですよね。
「国際協力専門員って専門家の一種?」と思う方もいるかと思います。
それは半分正解ですが、半分間違いです。両者はスペシャリストとしては共通していますが、JICAは明確に役割・募集要件を分けています。その違いはこちらです。
国際協力専門員は、まだJICAにあまり知見・経験がないけれどもニーズが増えてきている支援分野などにアドバイスを行います。一方、専門家は技術協力プロジェクトなどで専門性や問題解決能力などを活かして活躍します。
求められる業務経験年数にも違いがあり、より若手でも活躍の場があるのが「専門家」といえるでしょう。
応募方法
公募情報の探し方
JICA専門家の公募情報はPARTNERで調べることができます。
2020年9月9日現在では、6件の専門家の公募がありました。
提出書類
PARTNERから応募手続きを行います。各公募案件に共通した提出書類はこちらです。(注2)
- 専門家履歴書(提出必須)
- 写真(提出必須)
- 業務企画書(提出必須)
- ① 本件業務に「求められる資質と能力」の内、特に「★★★」並びに「★★」としている項目を参考にして、本業務に対応可能であることを説明して下さい。 なお、以下の点を含めるようにして下さい。
- ご自身の長所・短所
- 具体的な経験・実績
- ② ご自身で収集した本案件に関連する情報を分析したうえ、本業務を進める上でご自身が優先的な取組みが必要と考えること、留意すべきこと、具体的に実施しようと考えていることについて述べて下さい。
- ③ ご自身の事務処理について経験例を挙げて、自己評価して下さい。
- ① 本件業務に「求められる資質と能力」の内、特に「★★★」並びに「★★」としている項目を参考にして、本業務に対応可能であることを説明して下さい。 なお、以下の点を含めるようにして下さい。
- 語学資格証明書(写)
- 海外居住状況確認書(提出必須)
選考手順
書類選考、面接選考、語学証明書、健康診断の結果等を総合的に判断して候補者が決定されます。(注2)
- 応募書類に基づく書類選考結果通知
- 面接選考
- 面接選考結果通
- 面接選考合格後に健康診断等を実施
応募時の注意事項
専門家に応募できない人の要件があります。次のいずれかに該当する方は応募できません。また、内定後に該当することが判明した場合は不合格または派遣中止となります。
- JICA案件に従事中で、派遣予定時期までに当該業務が終了しない方(長期企画調査員(企画)として派遣中の方が、企画調査員(企画)案件へ応募の場合、派遣開始時点でその契約終了後3ヵ月未満の派遣となる方)。
- 70歳以上の方。
- 本件ポストの対象国等において、同ポスト職務に関係する民間企業の業務に就業していたなど、利益相反が生じると判断される方。
留意点
- JICA案件に従事中の方は、本件に応募するために、任期を短縮、もしくは辞退することは原則認められません(草の根技術協力、技術協力プロジェクト、開発計画調査型技術協力等、所属先が法人として請け負っている業務に従事している場合も含む)。
- なお、現在JICA専門家等として派遣中の方で、仮に本公募に合格し、継続し派遣される場合でも、原則として新規派遣とみなされます。
- 派遣期間を超えて業務が継続する場合、双方の合意のもと派遣期間を延長することがあります。但し、派遣期間は当初派遣期間を含め最長3年を超えない範囲(かつ、国際約束に基づく派遣の場合は協力期間を超えない範囲)となります。また、企画調査員(企画)の案件については、派遣期間は原則として、業務上必要があると認められた案件を除いて、派遣期間の延長は行いません。
Take Action!
この記事のポイントはこちらです。
- 専門家の種類は4種類です。技術協力プロジェクト専門家の①チーフアドバイザー、②技術移転型、③業務調整。そして④個別専門家です。
- 専門家の長期派遣と短期派遣によって待遇が異なります。長期派遣では海外への転居を前提とするため、家族の同伴や移転支援が含まれています。短期派遣では1年未満での出張ベースでの派遣を前提とした待遇となっています。
- 専門家と国際協力専門員の違いは
- 業務内容がよりJICAの上流での意思決定に影響し、業務経験10年以上を求められるのが国際協力専門員。
- 技術協力プロジェクトや相手国政府のインハウスコンサルタントとして専門性を生かして貢献し、業務経験5~8年以上を求められるのが専門家です。
いかがでしたか?
読者の皆さんのキャリア選択のお役に立てれば嬉しいです。
頑張るあなたを応援します!次の記事で会いましょう!
関連記事はこちらです。
出典
(注1) 技術協力プロジェクト専門家・個別専門家
(注2) 【公募案件】(新規)ベトナム 個別専門家 農業農村政策アドバイザー
(注4) 専門家の派遣手当等支給基準
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