人道支援の国際協力NGO:活動・仕事・求人【NGO 6選!簡単に解説】

NGO
  • 人道支援ってよく分からない。簡単に知りたい。
  • 人道支援を行うNGOはどんな団体?
  • 人道支援に関わりたい!仕事内容や求人情報を知りたい!

の疑問にこたえます。

この記事では、NGOで働く筆者が、人道支援の4つの原則、そして人道支援を行うNGO 6団体の活動や求人情報を紹介します。

人道支援とは:4つの原則

主要な国際機関等により「緊急事態またはその直後における、人命救助、苦痛の軽減、人間の尊厳の維持及び保護のための支援」と定義されています。

例えば、災害や紛争が起こった際に、人の命を救い、体や心のキズを手当し、1人1人の人の存在をかけがえのない価値として大切にすること。それが人道支援です。

人道支援の基本原則はこの4つです。

  • 人道原則…どんな状況にあっても、一人ひとりの人間の生命、尊厳、安全を尊重すること。
  • 公平原則…国籍、人種、宗教、社会的地位または政治上の意見によるいかなる差別をも行わず、苦痛の度合いに応じて個人を救うことに努め、最も急を要する困難に直面した人々を優先すること。
  • 中立原則…いかなる場合にも政治的、人種的、宗教的、思想的な対立において一方の当事者に加担しないこと。
  • 独立原則…政治的、経済的、軍事的などいかなる立場にも左右されず、自主性を保ちながら人道支援を実施すること。

政府もNGOもこの原則を尊重しつつ人道支援を行っています。(注1)

人道支援の4つの原則の中で、最も大切な原則は何でしょう?

それは、公平原則です。

国籍、人種、宗教、地位などに関わらず、最も困難に直面している人を優先して支援すること。

これを支えるのが、中立原則そして独立原則です。

例えば、紛争地では対立する複数の勢力があり、一方に加担することは、もう一方の敵となります。そうなると、攻撃されるリスクが生じるため、支援を行える状況ではありません。中立な立場であるからこそ、安全を確保して人命救助のための活動を行えるのです。

また、政治的、経済的な影響を受けずに独立して意思決定を行えることも重要です。例えば、アメリカが活動資金の拠出国である場合、アメリカがテロとしている国家や地域での活動が制限されることがあります。そうなると、その国・地域で困難に直面する方がどれほどいようとも、活動を行うことができません。

以上の、公平原則、中立原則、独立原則のすべてのベースとなるのが、人道原則です。

人道支援について理解する上で、この原則の理解はとても大切です。

人道支援を行うNGO 6選

子ども、難民、医療の関係のNGOが人道支援活動を行っています。

国連関係のUNHCR、UNICEF、WFP、FAOそして国際赤十字/日本赤十字も人道支援活動を行っていますが、ここでは割愛します。

ワールド・ビジョン

団体概要

  • 理念:すべての人々に何もかもはできなくとも、誰かに何かはできる
  • 概要:キリスト教精神に基づいて開発援助・緊急人道支援・アドボカシー(市民社会や政府への働きかけ)を行う国際NGO
  • 設立:1950年
  • 活動地:29カ国で135事業を実施(2018年)
  • 活動が目指すもの
  • ワールド・ビジョンは、子どもたちの「健やかな成長」(Child Well-being)のために活動しています。 具体的には、子どもたちが次の状態になることを目指しています。
    • 心身ともに健やかに成長し、
    • 良好な社会・人間関係を築き、
    • 尊重・保護され、
    • 社会に参加する機会を持ち、
    • 社会的公正を実感できる (注2)

活動内容

ワールド・ビジョンの活動の柱は、①開発援助(チャイルドスポンサーシップ)、②緊急人道援助、③アドボカシーの3つです。

緊急人道支援では、危機においてもっとも弱い立場に置かれる子どもたちを守るため、次の3つの活動を行います。

  • 緊急支援…食料や支援物資(ビニールシート、給水タンク、浄水剤、シェルターの材料、調理器具、毛布等)の支援
  • 復興支援…被災した子どもの保護者が生計手段を回復し、子どもたちが健やかに成長できる生活基盤を取り戻すために、水衛生、保健・栄養、食糧、子どもの保護、子どもへの教育、住居の分野で支援を行います。
  • 防災・減災…子どもたちの成長するコミュニティが自然災害に対応する力をつけ、 被災してもその後に回復できる強さを育むことを目指し、次の 3原則による活動を行っています。
    • コミュニティが抱える脆弱性を減らす
    • 災害がもたらす危険を緩和する
    • コミュニティが災害に対応できる力を育てる (注3)

求人情報

求人情報はこちら>>ワールド・ビジョン 採用情報

ボランティア情報はこちら>>ワールド・ビジョン ボランティア

国境なき医師団

団体概要

  • 目的:緊急性の高い医療ニーズにこたえること
  • 概要:独立・中立・公平な立場で医療・人道援助活動を行う民間・非営利の国際団体
  • 設立:1972年
  • 活動地:世界72の国と地域(2019年)
  • スタッフ数:約4万5000人の海外派遣スタッフ・現地スタッフ・事務局スタッフ
  • 収支:収入の約96%は個人からの寄付からなり、活動の独立性につながっている。(注1)

活動内容

国境なき医師団は、独自の調査に基づいて医療・人道援助を行う必要があると判断した場合に、活動プロジェクトを立ち上げます。対象となるのは主に次のような状況です。

  • 紛争
  • 難民・国内避難民
  • 自然災害
  • 感染症の流行
  • 顧みられない熱帯病
  • 病院・薬がない地域

活動地では、「診療と治療」「病気の予防」「心理・社会面の支援」を行っています。(注1)

求人情報

海外派遣スタッフは、通年で次のポジションの募集がなされています。給与は15万円/月~ほどですが支給されます。

医療スタッフだけでなく、非医療スタッフも募集されていることも特徴です。

医療の職種

  • 医師(内科医・小児科医・救急医)
  • 産婦人科医
  • 麻酔科医
  • 外科医/整形外科医
  • 薬剤師
  • 助産師 など

非医療の職種

  • アドミニストレータ―…「お金と人材」を司る、財務・人事のエキスパート
  • ロジスティシャン…調達から設備の保守管理までこなす「縁の下の力持ち」

非医療・医療共通の職種

  • プロジェクト・コーディネーター…チームマネジメントや安全管理を担当するリーダー職

なお、事務局職員やボランティアも随時募集しています。(注2)

募集情報はこちらから>>チーム国境なき医師団 海外派遣スタッフ

ジャパン・プラットフォーム

団体概要

  • 概要:NGO、経済界、政府が対等なパートナーシップのもとに協働した日本の緊急人道支援のしくみ
  • 設立:2000年
  • 活動:強みや資源を生かして連携できるプラットフォームとして機能し、国内外の自然災害による被災者、 紛争による難民・国内避難民に、迅速かつ効果的に日本からの支援を届けています。(注4)

活動内容

災害・緊急案件発生から、事業の審査を行い、最短でその日のうちに加盟NGOの出動を決定できる仕組みです。(注5)

ジャパン・プラットフォームHPより

求人情報

求人情報はこちら>>ジャパン・プラットフォーム 採用情報

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セーブ・ザ・チルドレン

団体概要

  • ビジョン:セーブ・ザ・チルドレンは、すべての子どもにとって、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現されている世界を目指します。
  • ミッション:セーブ・ザ・チルドレンは、世界中で、子どもたちとの向き合い方に画期的な変化を起こし、子どもたちの生活に迅速かつ永続的な変化をもたらします。
  • 設立:1919年
  • 大切にすること:説明責任、高い志、協力、創造性、誠実さ (注6)

活動内容

セーブ・ザ・チルドレンの活動の柱は、①緊急・人道支援、②保健・栄養、③教育、④子どもの保護、⑤防災(災害リスク軽減)、⑥子ども参加の6つです。

ここでは、緊急・人道支援の活動を紹介します。

セーブ・ザ・チルドレンは、紛争や自然災害の影響を受ける子どもたちに向けた人道支援を行っています。

2019年、シリア危機、ロヒンギャ危機、南スーダンやイエメンなどでの人道危機や、洪水やサイクロンをはじめとした自然災害の被災地において緊急・人道支援を展開し、10,563,185人の子どもたちに直接支援を届けました。

日本国内では、自然災害で被災した子どもたちへの緊急・復興支援を行っています。(注7)

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国境なき子どもたち

団体概要

  • 理念:共に成長するために
  • ビジョン:国境を越えてすべての子どもに教育と友情を
  • ミッション:
    • 教育や職業訓練、自己表現の機会を提供し、子どもたちの将来の選択肢をひろげ、その健全な社会参加を後押しします。
    • 貧困や紛争、災害で困難な状況にある子どもたちに寄り添い、その成長過程にふさわしい生活を送れるよう手助けします。
    • 日本の子どもたちが、世界の子どもたちの抱える現状を知り、多様な価値観を学び、互いに支え合える次世代を育成します。
  • バリュー:
    • 子どもたち:出会った子どもをあるがまま受け入れ、その可能性を信じ、大切な存在として向き合います。
    • 支援者:支援者と子どもをつなぐ架け橋となり、子どもたちの声や成長の様子を届けます。
    • 現地パートナー:事業を共に実施する現地パートナーの価値観・経験を尊重し、信頼関係を築きます。
    • 市民社会:支援金を有効活用し説明責任を果たすよう努め、世界の子どもの現状について情報発信します。
    • 国境なき子どもたちで働く仲間:主体性と向上心を持って考え行動し、子どもたちの未来のために協力し合います。
  • 設立:1997年 (注8)

求人情報

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難民支援協会

団体概要

  • ミッション:難民が新たな土地で安心して暮らせるように支え、ともに生きられる社会を実現する。
  • 設立:1999年

活動内容

難民を受け入れられる社会を目指し、日本で生活している難民への法的支援、生活支援、終了支援、コミュニティ支援、政策提言・広報活動を行っています。

求人情報

求人情報はこちら>>難民支援協会 採用情報

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Take Action!

いかがでしたか?

国際協力NGOの人道支援への関わり方はさまざまです。

海外での医療スタッフ、非医療スタッフ、ボランティア、国内事務局スタッフなど…

この記事では人道支援の原則、そして人道支援を行うNGOの6団体の活動・求人を紹介しました。

読者の皆さんの選択のお役に立てれば嬉しいです。

頑張るあなたを応援しています!次の記事で会いましょう!

出典

(注1) 外務省 人道支援

(注2) ワールド・ビジョンとは

(注3) ワールド・ビジョン 緊急人道支援

(注4) ジャパン・プラットフォームについて

(注5) ジャパン・プラットフォーム 緊急時対応の流れ

(注6) セーブ・ザ・チルドレンとは

(注7) セーブ・ザ・チルドレン 緊急・人道支援

(注8) 国境なき子供たちとは

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