- ストリートチルドレン支援を行っているNGOはどこ?支援内容は?
- 彼らを救うには、どんな方法があるか?私たちができることは?
の疑問に、NGOで働く筆者が第三者的な視点で回答します。
前回、この記事でストリートチルドレンの現状と問題点を解説しました。
今回は、彼らへの支援活動を行っているNGOについて紹介します。
ストリートチルドレンなどの子ども支援のNGO 5選
セーブ・ザ・チルドレン
概要
- ビジョン:セーブ・ザ・チルドレンは、すべての子どもにとって、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現されている世界を目指します。
- ミッション:セーブ・ザ・チルドレンは、世界中で、子どもたちとの向き合い方に画期的な変化を起こし、子どもたちの生活に迅速かつ永続的な変化をもたらします。
- 設立:1919年
- 大切にすること:説明責任、高い志、協力、創造性、誠実さ (注1)
活動内容
セーブ・ザ・チルドレンの活動の柱は、①緊急・人道支援、②保健・栄養、③教育、④子どもの保護、⑤防災(災害リスク軽減)、⑥子ども参加の6つです。
教育
すべての子どもが質の高い教育を受けられるよう、学習機会の提供のみならず、読み書き計算能力の向上をはじめ、学習環境の改善や教員の能力養成などの支援活動を行っています。
子どもの保護
5分に1人、世界では子どもたちが暴力の被害を受け、命を失っている現状があります。
セーブ・ザ・チルドレンは、暴力や虐待、搾取から子どもたちを守ったり、被害を受けた子どもたちへの支援のほか、体罰禁止に向けた働きかけや、たたかない、怒鳴らない子育ての普及を推進しています。
支援方法
次の支援方法があります
- 寄付する
- 企業としてサポートする
- 学校としてサポートする
- スタッフとして参加する>>セーブ・ザ・チルドレン 人材募集
※スタッフとして参加するための内定確率を上げたい方は、転職エージェントから応募書類や面接対策のサポートをしてもらうのがおススメです。無料なので、とりあえず使ってみるのが良いかなと思います。
ワールドビジョン
概要
- 理念:すべての人々に何もかもはできなくとも、誰かに何かはできる
- 概要:キリスト教精神に基づいて開発援助・緊急人道支援・アドボカシー(市民社会や政府への働きかけ)を行う国際NGO
- 設立:1950年
- 活動地:29カ国で135事業を実施(2018年)
- 活動が目指すもの
- ワールド・ビジョンは、子どもたちの「健やかな成長」(Child Well-being)のために活動しています。 具体的には、子どもたちが次の状態になることを目指しています。
- 心身ともに健やかに成長し、
- 良好な社会・人間関係を築き、
- 尊重・保護され、
- 社会に参加する機会を持ち、
- 社会的公正を実感できる (注6)
活動内容
ワールド・ビジョンの活動の柱は、①開発援助(チャイルドスポンサーシップ)、②緊急人道援助、③アドボカシーの3つです。
支援方法
チャイルド・スポンサーシップで支援…子どもを1対1で支援できます。子どもの成長報告が届き、手紙やプレゼントをやり取りすることもでき、成長や成果を実感しやすいです。
チャイルド・スポンサーシップについて詳しくはこちら>>1対1の支援プログラムで途上国の子どもたちに希望を
国境なき子供たち
概要
- ビジョン:国境を越えてすべての子どもに教育と友情を
- ミッション:
- 教育や職業訓練、自己表現の機会を提供し、子どもたちの将来の選択肢をひろげ、その健全な社会参加を後押しします。
- 貧困や紛争、災害で困難な状況にある子どもたちに寄り添い、その成長過程にふさわしい生活を送れるよう手助けします。
- 日本の子どもたちが、世界の子どもたちの抱える現状を知り、多様な価値観を学び、互いに支え合える次世代を育成します。
- バリュー:子どもたち、支援者、現地パートナー、市民社会、国境なき子どもたちで働く仲間を大切にします。
- 設立:1997年
活動内容
支援対象は、このような子どもたちです。
- ストリートチルドレン
- 人身売買の被害に遭った青少年
- 法に抵触した青少年
- 極貧層にある青少年
- 家族や地域社会からの排除、暴力の被害にあった青少年
- 大規模自然災害で被災した青少年
- 戦乱や紛争の影響を受けた青少年
カンボジアとフィリピンで自立支援施設「若者の家」を運営し、ストリートチルドレンや人身売買の被害に遭った子どもなど、貧困の犠牲となった青少年に、教育や職業訓練の機会を提供することで彼らが社会に出て自立できるよう活動しています。
他にも、紛争や大規模自然災害で困難に直面している子どもたちに、教育をはじめ、さまざまな機会を提供することで手助けしています。
支援方法
このような方法で支援することができます。
- 寄付する
- 参加する…イベント、ボランティア、買い物、スタッフとして参加
- 国境なき子供たちの活動を広める (注2)
人材募集情報はこちら>>国境なき子供たち 人材募集
※内定の確率を上げたい方は、転職エージェントから応募書類や面接対策のサポートをしてもらうのがおススメです。無料なので、とりあえず使ってみるのが良いかなと思います。
TATAG
概要
1994年に元ストリートチルドレンらによってフィリピンのオロンガポ市に設立されたNGO。
TATAGという名前は、タガログ語で“Tayo Ang Tinig At Gabay”の略で、「私たち自身が声であり道標である」という意味を持ち、すべてのこども達がそう信じ、活動するようになることを目指しています。主に ストリートチルドレン支援、児童の権利の啓発等のための活動をしています。活動の拠点はコミュニティー(各地域)とストリートベース(路上)とに分かれて おり、現在は14の貧困地域と、オロンガポ市内の路上を含めて、15箇所で活動しています。(注3)
活動内容
方針
子どもたちのリスクを最小限に抑え、子どもの可能性を最大限に引き出して、社会の中で生活できるよう、次の方針で活動を行っています。
- Protecting(保護) 現在問題を抱えている、もしくはその可能性がある人やこども達を保護する
- Enhancing(強化) 家族や地域のこども達を守る能力を強化する
- Empowering(力を与える) こども達が自身の権利を掲げ、自身の責任を受け入れられるように力を与える
- Networking (ネットワークづくり) こどものための他の組織とネットワークを作る
内容
- 教育支援プログラム
- 初等・中等教育支援 …子どもが無料で学べる環境を整備。
- 大学奨学生プログラム …貧困家庭の青少年向けの奨学金
- 職業訓練 …貧困家庭出身の人、特に教育を受けていない人を優先して教育訓練
- STREET BASED
- ストリートエドゥケーション…子どもから子どもへの教育
- 家庭訪問
- 親の組織化 …子どもが路上に出ず、学校に通えるように親向けの教育や支援
支援方法
寄付する…ACTIONから寄付できます
参加する…海外ボランティア・短期インターン、活動報告会、国内ボランティアなどの関わり方があります。詳しくはこちら。
ACC21 (Asian Community Center 21)
概要
- ビジョン:アジアの人々が共に生き、支え合う、世界に開かれた、公正で平和な社会
- 目標:2030年までにマニラの”路上で生きる子どもをゼロにする”こと
- 活動地;日本、フィリピン
活動内容
方針
次の4つの”流れ”を促進して、市民社会での協働ネットワークを構築していきます。
- 資金の流れ …貧困から脱却しようとする人のための「社会投資資本」
- ひとの流れ …お互いに助け合うコミュニティの意識を高める
- 知識・情報の流れ …知識・情報を持てない人へ
- 政策・制度改革の流れ …社会開発運動のリーダーと協働し、政策・制度の確立
- ひとづくり …4つの流れをより効果的にするために、人材の育成 (注4)
内容
「フィリピンの路上で暮らす若者の自立支援プロジェクト」や「権利を奪われたフィリピンのストリートチルドレン支援プログラム」を通じて、次の活動を行っています。(注4)
- 若者への職業技術訓練
- 就活支援
- 出生証明の取得支援
- 子どもを対象とした路上教育
支援方法
寄付で応援することができます。
出典
(注1) セーブ・ザ・チルドレンとは
(注2) 国境なき子供たちとは
(注3) ストリートチルドレンを支援する現地NGO「TATAG」
(注4) ACC21 ストリートチルドレン支援
(注5) 国境なき子供たち 支援・参加する
(注6) ワールド・ビジョンとは
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