国連職員になるには?求められるスキル・適性から考える就職対策

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国連職員になるために必要なスキル・能力は?適性のある人は?

の疑問にこたえます。

この記事の読者の皆さんは、国連職員で働きたい方もしくは働くことも検討している方だと思います。

彼を知り己を知れば百戦殆うからず」です。国連職員の仕事について前回の記事でご紹介しました。今回は国連職員に必要なスキルや適性を紹介します。

一方で、あなた自身が自分と対話して、己を知る事もとても大切です。

  • あなたの強みは何ですか?
  • 国連職員に求められるスキル・適性とマッチしているところはありますか?
  • 国連システムで働くことで、達成できるあなたのビジョンは何ですか?そのビジョンでは誰を幸せにしていますか?それは国連システムでしかできないことですか?
  • 国連の定めるSDGsのゴールについて、あなたが働くことでこのゴールにどう貢献できますか?

これを明確にすることがこの記事のゴールです。ぜひご自身に問いかけながら読んでください。

この記事を読むと、国連職員に共通して求められるスキル・経験3つ、適性がある人の特徴4つがわかります。それを踏まえて、あなた自身の強みやビジョンを考えていきましょう。

国連職員に必要なスキル・経験3つ

コミュニケーション能力

国連で働くうえで、語学力が堪能であることが求められますが、どれほどのレベルなのか明確な数字は示されていません。

国連の公用語6つ(英語、フランス語、アラビア語、中国語、ロシア語、スペイン語)のうち、英語とフランス語がworking languageとされています。国連からの指令はこの2言語でなされるため、英語もしくはフランス語を流暢に使いこなせる必要があります。(注2)

学問的専門性

国連職員は、それぞれの専門性を生かして働いています。専門職以上では、専門性の証明として修士以上の学歴が求められます。

▽専門性の例はこちら

マネジメント・オペレーションサポート、経済社会開発、政治、平和と安全、情報システム・コミュニケーション技術、法務、情報公開・渉外、会議マネジメント、安全保障。(注2)

また、応募する分野の資格があると加点される場合があります。

業務経験

学問的な専門性と業務経験との一貫性をもったキャリアを歩むことも大切です。国連職員はグレードにより求められる業務経験が異なります。国連職員(専門職以上)のタイプとグレードの内訳はこちら。

国連職員(専門職以上)のグレードと必要な職務経験
[出典] Staff categories – UN Careers – the United Nationsより筆者まとめ

適性のある人の特徴4つ

多様性を受け入れられる人

193の加盟国出身の約4万4,000人から成る国連職員は多様性に富んでいます。国連で働くということは、異なる背景や文化をもち、幅広い観点や経験、アプローチを有する多文化チームで働くことが求められます。(注1)

海外でも働ける精神力・体力がある人

国連職員は事務局での勤務よりも、実際に問題が起こっている世界各地に赴任し、現地にてその問題解決に取り組む職員が多いのが特徴です。(注1)

食べ物や生活習慣、文化が違う国で仕事をするのは思った以上に体力や精神力を必要とされます。男女問わず「タフさ」が求められます。

自分の成長を楽しめる人

国連での仕事は多岐にわたることから、常に自分をアップデートして学び続けることが求められます。

有期契約での不安定さにも耐えられる人

国連職員のほとんどは有期契約で働き、それも1年未満の短期契約が多いです。

限られた期間で一定の成果にコミットすることが求められます。

そして、契約終了後に無職になるリスクがありますので、それに対応できるように、技術・経験を備えた人的資本(=労働者としての価値)、金融資産での金融資本、もしくは社会的な人脈などの社会資本の基盤を築いておく必要があります。

長期的なキャリア形成

野田章子さん<br>モルディブ国連常駐調整官 兼 UND常駐代表
野田章子さん
モルディブ国連常駐調整官 兼 UND常駐代表

国連で働くことが目的ではなくて、まず人生において何がしたいのか、どういうことにやりがいを求めているのかということを考えることが大切です。

国連が合う人もいれば、合わない人もいます。私のJPO同期でも国連に残っている人はわずかしかいません。全員が国連が合うわけではないですし、国連に残れる人の方が態度が大きかったり(笑)、または日本社会ではやりづらさを感じている人が国連に合ったりする場合もあるかもしれません。

人には向き不向きがあるので、全員が国連を目指す必要はないと思います。現在では、民間企業で働いていても国際協力に関わる活動ができるので、自分に合った仕事自分の強みなどを見極めていくことが大切です。

あとは、キャリアプランとして、1,2年後に何をしたいかではなくて、10年後、20年後に何をしていたいかを考えてみる。そしてその目標に到達するには、今何をしていたら自分の目標に近づくのかを、長期的な視野を持って考えていくことが大切だと思います。(注3)

まとめ

あなた自身と対話ができましたか?次の質問に答えは出たでしょうか。

  • あなたの強みは何ですか?
  • 国連職員に求められるスキル・適性とマッチしているところはありますか?
  • 国連システムで働くことで、達成できるあなたのビジョンは何ですか?そのビジョンでは誰を幸せにしていますか?それは国連システムでしかできないことですか?
  • 国連の定めるSDGsのゴールについて、あなたが働くことでこのゴールにどう貢献できますか?

国連職員に求められるスキル・経験・適性のハードルは決して低くはありません。

しかし、国連の仕事を視野に入れて長期的にキャリアを形成すれば、きっと実現できるものと思います。

国連職員になるためのカギは、「人脈づくり」と「情報収集」です。イベントやSNSなどを通じて、実際に国連で働いている人との人脈を作りましょう。

また、情報収集し、戦略的・計画にキャリアを築くことも大切です。このサイトでも国連職員に関する情報をお届けし、頑張るあなたを応援しています!

次の記事で会いましょう!

出典

(注1) 国連の職員とは

(注2) Staff categories – UN Careers – the United Nations

(注3) 国連職員NOW!野田章子さん モルディブ国連常駐調整官 兼 国連開発計画(UNDP)常駐代表

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