世界で女子教育の格差問題に取り組むマララさんについて分かりやすく知りたい。
マララさんの言葉が世界に与えた影響は?彼女の名言を通して知りたい。
この疑問にこたえます。
▽この記事で分かること
- マララさんの生い立ちと年表
- マララさんが世界に与えた影響
- マララさんの現在
- もっと知りたい方は本と映画がオススメ
この記事では、私達と同じ時代を生き、世界へ大きな影響を与えてきた女性、マララさんについて分かりやすくまとめました。
日本だと教育を受けられるのはあたり前で、学校で「勉強するのかったるい。サボろうかな」って言う人いますよね。私もぶっちゃけ思う時ありました(笑)
でも、世界に目を向けると、教育は当たり前でないです。
教育を当たり前にするために、権力に対して勇気をもって声を上げた女性がマララさんです。
最年少でノーベル平和賞と聞くと「特別な人」と思うかもしれませんが、この記事を読むと「意外と普通だな」「私たちと近いな」と思えることもあるはずです。
4分ほどで読めます。
マララさんの生い立ちと年表
マララさんってどんな人?
▽概要
- 名前:マララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)
- 生年:1997年7月12日(毎年7/12はマララデー)
- 出身:パキスタン
- 出身校:オックスフォード大学
- 宗教:イスラム教(スンニ派)
- 受賞:ノーベル平和賞(2014年)
- 結婚:2021/11/19にアッセル・マリク氏とイスラムの婚姻儀式ニッカを行う
▽年表
- 1997年 パキスタンの北部山岳地帯のスワート渓谷で生まれた
- 2007年 武装勢力タリバンがマララさんの村を制圧し、恐怖政治をする。
- 2009年 匿名でBBCブログに投稿する
- 2012年 タリバンに襲撃される
- 2013年 国連本部でスピーチ。「マララ財団」を立ち上げ
- 2014年 最年少でノーベル平和賞を受賞
- 2017年 国連ピース・メッセンジャーに就任。オックスフォード大学入学
マララという名前の由来は?
マララは、パシュトゥン人の偉大なヒロインである「マラライ」にちなんで名づけられました。
マラライは第二次アフガニスタン戦争(1878~80年)の際、アフガニスタンの兵士たちを励まし、マイワンドの戦いでイギリス軍を退けた女性です。
19世紀中のイギリス軍の唯一の敗北です。
マラライは、パシュトゥン人にとってのジャンヌ・ダルクのような女性です。
そういったご両親の想いをうけて、マララさんは勇気ある女性に育ちました。
どんな生い立ちだと、マララさんのような人に育つの?
マララさんの生まれた村では、「男の子が生まれたら祝砲を鳴らし、女の子が生まれたらカーテンの後ろに隠す」というほど、男女格差の大きい地域でした。
マララさんのお父さんは、子どもたちのために学校をつくって経営し、彼女も弟たちと一緒に通っていました。
タリバンの恐怖政治とは?
マララさんが10際の時、「パキスタン・タリバン運動」という武装勢力が村にやってきました。
するとマララさんたちの生活は一変します。
かいつまんで言うと、タリバンは極端なイスラム原理主義の思想から、このような恐怖政治を行いました。
- 厳しい女性差別
- 女子教育は全て禁止。女学校は爆破も…
- 女性の就業禁止
- 女性は家族以外に顔を見せないためにブルカを着用
- 結婚前の男女交際は禁止。親が決めた相手としか結婚できない。
- 歴史のある仏像や仏舎利塔を破壊
- 住民のテレビやDVD、CDなどの娯楽を全て捨てさせる
イスラム教では「女性を大切にしなければならない存在」です。
だから、家庭において保護しなければならない。女性が外で教育を受けたり、仕事をするのはトンデモないという考えです。
さらに、天国へ行けばいくらでも楽しめるのだから、地上にいる間は一切の娯楽が禁止されました。
女性は仕事ダメ、勉強ダメ、娯楽ダメ、デートもダメって…。いったい何をして過ごせばいいのって感じですよね。しかも、反発したら命を狙われるリスクもあります。
マララさんを有名にさせた、タリバンの銃撃事件とは?
マララさんは11歳の時に、仮名のBBCブログでタリバン支配の実態や、学校への攻撃に対する不安について語り始めます。
すると、国内外で注目されるようになり、新聞やテレビからのインタビューがくるようになります。途中から、実名で証言するようになりました。
国内外ですっかり有名になったマララさんは、タリバンの標的になり、インターネット上で殺害予告が出されてしまいます。
マララさんと家族は用心しながら暮らしていましたが、ついに事件が起きてしまいます。
2012年、マララさんが学校からの帰りのスクールバスに乗っていると、2人の男がバスに乗り込んできました。
「誰がマララだ?」という声の後、銃声が響き、マララさんの頭部に当たりました。
幸いなことに脳には当たらず、治療のためイギリスに搬送され、九死に一生をえました。
タリバンにとっては皮肉なことに、この経験が、マララさんの言葉にさらなる影響力を与えたのです。
マララさんが世界に与えた影響
マララさんの言葉が世界に与えた影響は?
一言で言うと、教育の大切さを世界のリーダーに伝えたことです。
ここに彼女の国連でのスピーチの一部を抜粋して紹介します。
親愛なる兄弟姉妹の皆さん、何百万もの人が貧困、不正、無知に苦しんでいることを忘れてはなりません。何百万もの子どもたちが学校に通えていない現実を忘れてはなりません。私たちの兄弟姉妹が、明るく平和な未来を待ち望んでいることを忘れてはならないのです。
ですから、本とペンを手に取り、全世界の無学、貧困、テロに立ち向かいましょう。それこそ私たちにとって最も強力な武器だからです。
1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペンが、世界を変えられるのです。
教育以外に解決策はありません。教育こそ最優先です。
[出展] 国際連合広報センター マララ・ユサフザイさんの国連本部でのスピーチ
マララさんの現在【2021年時点】
今は何をしているの?
マララさんは、オックスフォード大学で哲学と政治学、経済学の過程を修了し、2020年に卒業しました。
2021年11月にはアッセル・マリクさんと結婚し、公私ともに充実されていそうです。
今も、人権活動家として、マララ基金を主宰し、すべての少女が、12年間の無償で安全な質の高い教育を受ける権利を得られるように支援しています。
また、2021年にApple TV+とパートナー契約を交わし、自身の番組を制作しています。
私はストーリーの力を信じています。
様々なストーリーが、家族の繋がりを強め、友情を築き、社会にムーブメントを起こし、子どもたちに夢を与えることができるからです。
そうしたストーリーを現実のものにする上でパートナーとして、Apple以上の存在はありませんでした。
女性や若い人たち、作家や芸術家のような人々が自分の視点で世界を描くことを支援する機会をいただき、とても感謝しています。
マララさんはコメディも好きなようです。彼女の番組、楽しみですね。
もっと知りたい方は本と映画がオススメ
もっと知りたい方は、自叙伝の「私はマララ」という映画がオススメです。
彼女が15歳だったときの下校途中に、タリバンから銃撃された事件について明らかにするとともに、彼女の生い立ちや父がその名前に込めた思いを映し出します。
監督は、アカデミー賞受賞作『不都合な真実』などのデイヴィス・グッゲンハイム。
ブラッド・ピットが好きなごく普通の女の子が、武装勢力の脅威に屈することなく女子が教育を受ける権利を訴え闘う姿に胸が熱くなります。
Take Action!
いかがでしたか?
この記事では、マララさんについてこちらを解説しました。
- 生い立ちと年表
- 世界に与えた影響
- 現在の挑戦
もっと知りたい方は本と映画がオススメです。
「1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペンが、世界を変えられるのです。」
私たち一人ひとりの力は微力ですが、集まれば大きな力になります。
頑張るあなたを応援しています!
次の記事で会いましょう!
出展
(注1) 国際連合広報センター マララ・遊佐不在さんの国連本部でのスピーチ(2013年7月12日、マララ・デー)
(注2) VOGUE 「想像以上の未来を叶えるために私は声をあげる」──教育のジェンダー格差解消に命を懸ける活動家、マララ・ユスフザイ。【社会変化を率いるセレブたち】
(注3) Wikipedia マララ・ユスフザイ
(注4) 池上彰「なぜ世界を知るべきなのか」(2021年7月)小学館。
コメント