世界銀行と日本の関係は?
日本の世銀からの支援の歴史を知りたい。
その支援に対して、日本が返済しきったのはいつ頃?
今の世銀と日本のパートナーシップは?
の疑問にこたえます。
この記事では、世界銀行から日本への支援の歴史、そして現在の関係性について、分かりやすく解説します。
世界銀行から日本への支援の歴史
日本は1952年に世界銀行に加盟し、戦後の復興から高度経済成長期にいたるまで、国づくりの支援を受けました。
最初の世銀からの貸出は、1953年の黒部ダムなどの火力・水力発電のプロジェクトを行い、増大するエネルギー需要に応えました。
また、1956年には、鉄鋼・自動車・造船などの分野への支援を得て、海外に誇れる日本品づくりにつなげました。
1961年には、物流量の増大に対応するため、東海道新幹線などの道路・輸送セクターへの支援を得ました。
1953年~1966年に、合計31件、総額8億6300万米ドルの投融資を得て、国づくりを行いました。
日本が世銀からの貸し出しを受けた31プロジェクトはこちらで確認できます >> 31プロジェクト一覧
いずれも、日本の戦後復興に大きく貢献しました。
世銀の卒業後、1970年には高度経済成長期に入り、著しい経済成長は世界からの注目を集めました。
日本は、世銀からの借入を1990年に完済しました。
世界銀行と日本
位置づけ
日本は、世界銀行への2位の出資国です。(1位はアメリカ)
世銀の理事25名のうち5名は、5大出資国(アメリカ、日本、ドイツ、フランス、イギリス)がそれぞれ選任します。
日本は世銀の理事の人事に影響力があり、方針へ影響できる立場にあります。
協業
世銀は、2030年までに次の目標を目指しています。
- 極度の貧困の撲滅(1日1.90ドル以下で暮らす人を3%以下に)
- 繁栄の共有を促進(各国の下位40%の貧困層の所得を引き上げる)
日本も、この目標達成に向けて、主に次の分野での協働を行っています。
- インフラ
- 防災
- グローバル・ヘルス(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)
- アフリカ開発会議(TICAD)
- 国際協力機構(JICA)との連携
インフラ整備で国を発展させてきた経験、そして震災などの対策など蓄積した防災技術や知見といった、日本の強みをいかして協力を行っています。
世界銀行東京事務局
1970年に開設され、次のような活動を行っています。
- 世銀債発行による資金調達
- 日本とのパートナーシップ強化のための広報・対外関係、日本人採用支援
- 開発課題や世界銀行の活動に関する情報提供
- 政府、開発関係機関との政策対話の推進
- 報道機関、記者への情報・データの提供
- NGO、市民社会、オピニオンリーダーとの意見交換
- 企業、団体との連携・対話
- 世界銀行とのビジネス機会の情報提供と個別相談の実施
- 大学、研究機関との共同研究
世銀で働く日本人
日本政府、そして世銀は、世銀で働く日本人を増やすため、次のポジションを毎年募集しています。
- ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)
- ミッドキャリア
世銀での競争率は、YPPで400~600倍、空席公募で約200倍といわれるなか、JPO制度では5~7倍です。日本人に有利な制度ですね。
世銀で働きたい方、こちらの記事も参考になります。
Take Action!
いかがでしたか?
日本は、世界銀行に戦後復興を支えてもらい、高度経済成長期に至った歴史があります。
そして、1990年に借金を完済してから現在にいたるまで。
日本は支援を受ける側から、与える側に立場を変えてきした。
世銀について、もっと知りたい方はこちら!
世銀で働くことに関心のある方はこちらも参考になります。
頑張るあなたを応援しています!次の記事で会いましょう!
出展
(注1) 日本が世界銀行からの貸し出しを受けた31プロジェクト
(注2) 世界銀行:理事会
(注3) 世界銀行と日本
(注4) 世界銀行:日本とのパートナーシップ
コメント